はじめに

病院は、身元保証人がいないことを理由に入院を拒否できない

身寄りがいない場合、入院時の身元保証人が立てられないのは、とても心配ですよね。ただし、医師法では、「医師法19条1項 診療に従事する医師は、診察治療の求があった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。」とされています。このため、身元保証人がいないからといって、入院できない等の事態はあってはなりません。医療機関に対しても2018年4月27日付け厚生労働省医政局維持課長通知を行っており、身元保証人がいないからと入院を拒否する場合は、医師法に抵触するという見解を示しています。

しかしながら、病院としては身元保証人がいる方が安心ですし、実際には、対応に違いがあるようです。私のケースを申し上げると、12年前に身元保証人なしで入院したことがありましたが、スムーズに手続きができました。ただ、身元保証人を立てていないことから、病院へ入院費を充分にカバーするだけのお金を預けて、乗り切りました。ただこれは、いわゆる入院保証金としてではなく、手持ちのお金を預けただけでした。

相談者様の場合、継続して同じ病院へ通われていると思います。身元保証人がいない場合、その病院でどのような対応ができるのか、確認しておくと安心ですね。

身元保証人がいない場合、どのように対応するべきか

民間の身元保証会社の場合、金額はさまざまです。たとえばA社の場合、初期費用は8万円~。月額1,500円~となっています。具体的な金額は、個別相談によって提示されますので、ご自身で望むサポートを明確にして、選ぶ必要があります。相談のみは無料ですので、まずは、具体的な金額を提示してもらって、どのプランを利用するのか、他の方法で対応するのか、考えてもよいでしょう。

民間会社を利用する以外の方法

身元保証人がいない場合、民間の会社の他にも利用できるものがあります。

【入院保証金を利用する】
入院保証金は預り金とも言い、入院したときに病院から提示された預り金を支払いますが、退院時には差額を精算します。病院のメリットとして、未収金の発生を予防できますので、身元保証人に相当する連帯保証人が不要です。

その他、入院費をクレジット払いにし、クレジットカードの番号を登録しても、身元保証人は不要になります。いずれの場合も、病院への確認が必要です。

【成年後見制度を利用する】
成年後見制度には、任意後見制度と法定後見制度の2つがありますが、この場合、自分で判断できるうちに契約を結ぶ任意後見制度を利用します。

任意後見制度にかかる費用は、申立そのものは手数料含めて数千円ですが、自分が信頼している人を後見人として選ばなければなりません。身寄りがない場合には、弁護士などに依頼する必要があります。その場合、ケースにより異なりますが、契約を結ぶために20数万円がかかり、毎月数万円の費用がかかります。

弁護士事務所のなかには、無料相談を行っているところもありますので、どのようなシステムになっているのか、自分にとっての費用はいくらかを確認してもよいですね。また、条件に当てはまれば助成が出ることもあるので、自治体の情報も確認してみましょう。

今の保険料割高と感じていませんか? マネーフォワードの生命保険なら、あなたの保険料は?[by MoneyForward]