はじめに
株式・投資信託
インフレが持続した場合、モノやサービスの価格が上昇していくので、企業収益は上がっていきます。それにともない、株価は上昇していきます。iDeCoやNISAといった制度を活用しながら長期的に運用をすることは、一番オーソドックスなインフレへの対抗といえます。
この場合、運用によって「莫大な利益を上げる」よりも、「お金の価値が目減りをする分を防ぐ」という「守りの運用」を意識すると良いでしょう。
つまり物価上昇率が2%で継続するのであれば、3%~4%程度の収益率を望めるポートフォリオを組んでみてはいかがでしょうか。
外貨商品
2022年6月現在、ドル円の為替レートは135円~136円と、およそ24年振りの円安となっています。インフレ下においては、円安に進みやすい傾向があります。
つまり、「日本円」よりも、「米ドル」や「ユーロ」などの外貨の方が、価値が高くなります。
よって、外貨預金や外貨建て保険、外貨建てMMFといったものに、日本円から少しでも資産を分けておくと、インフレリスクを分散することができます。
金などの現物資産
現物資産の代表的なものは「金(ゴールド)」です。インフレとは、「お金の価値」と「物やサービスの価値」が乖離することを表しますが、「金(ゴールド)」は金(ゴールド)の価値の変動なので、インフレの影響はほとんど受けません。
また、この度のウクライナ侵攻など、世界経済は地政学的リスクを孕んでいますが、「有事の金」と言われるように、リスクヘッジに適した財産として古くから認知されています。
「純金積み立て」などでコツコツ貯めたり、一般NISAなどで、金(ゴールド)の指標に連動する投資信託を活用したりするのも有効です。
不動産
インフレが起これば、「物やサービス」の価格は上昇していきますが、それは不動産価格にも影響します。賃料や建物の価値が上昇するからです。
それは「不動産価値の上昇」と同じですから、資産の一部を「不動産」に預けていることはインフレに対抗できる、といえます。
ただし、自身でアパートやマンションを所有するのは簡単なことではありませんので、これも上記同様に、iDeCoやNISAの制度を用いて、「REIT(リート)」と呼ばれる「不動産投資信託」を活用してみるのも有効です。
未来のために今こそ対策するべき
景気が良くなる=給料が上がる、とするならば、インフレは歓迎するべき状況です。
あくまで、「今現在、保有している資産」がインフレの影響を受け過ぎないように、決して無理のない範囲で、「現金・預金」以外の資産に分散させる意義を解説しました。
現在、いまだコロナ禍の影響を引きずる世の中で、ウクライナ侵攻や円安ショックなど、嵐のような経済環境が続いていますが、自分にできることを検討し、対策を講じることは、「嵐の中」でも考えなければ未来は変わりません。
そのための検討材料として、少しでも参考になれば幸いです。