はじめに
消費は上向き傾向、夏場に向けた新型コロナ再拡大に要警戒
続いて消費について見ていきましょう。インフレの脅威は進んでいますが、新型コロナ動向の緩和により5月以降は消費も回復傾向になっています。
ここではナウキャスト(東京・千代田)の提供する「JCB消費NOW」のクレジットカードデータを取り上げます。コロナ禍で打撃の大きかったサービス関連の業種をピックアップしてみていくと、GWに差し掛かった5月前半以降、回復が続いていることがわかります。
時短営業で供給側の制約が大きかった外食や、行動制限で控えられる傾向があった宿泊がコロナ前水準でプラス圏内が見える水準まで回復しています。
一方で、直近の新型コロナ感染動向には留意が必要です。重傷者こそ少ないものの、全国の感染者数はすでに過去最大の水準まで増加しています。GW同様、久しぶりの制限のない状態での夏休みが迎えられると思った矢先、旅行など感染リスクが嫌気する行動には抑制方向となるかもしれません。海外と比べてこれからリオープンへの期待感が高まっている要素はポジティブに捉えつつ、再び新型コロナリスクが高まる場合のシナリオは念頭に置いておくと良いでしょう。
マクロだけでなくミクロの視点も忘れずに
金融緩和の変更という大きな変化がある中、株にはマイナスなのではないかと考えてしまいがちですが、ブレイクダウンしていくとまた違った様子が見て取れます。投資では、すべての資産が同じ方向に動くことは稀で、一般的には下がるものがあれば上がるものがあります。
これまでは米国株の強さが目立っていましたが、一転日本株に風向きが変わってきたようにも見えます。このタイミングで、日本株に注目した投資を考えてみるのも一つの戦略かもしれません。