はじめに
大学を卒業して独り立ちするまでの子育て費用はいくらかかるのか
相談者様は、今まで家計管理はわりと緩めにされていたとのことですが、子どもが生まれ社会人として独り立ちするまで、子育てにかかるお金はどのくらいになると思われますか?
多くの方が「教育費」を思い浮かべ、「子ども1人を大学まで卒業させると1,000万円はかかりますよね」とおっしゃいます。
法務省によると、「養育費」とは、子どもが経済的・社会的に自立するまでに要する費用を意味し、衣食住に必要な経費、教育費、医療費などのことをいいます。
これら養育費を、食費や洋服代、生活用品費、医療費など生活にかかる「養育費」と授業料や塾代、習い事にかかる「教育費」の2つの大枠で金額をイメージしてみましょう。
「養育費」は約1500万円!
内閣府の「平成21年度インタネットによる子育て費用に関する調査」報告書を参考に、具体的にどのような費目にいくら位かかるのか調べてみました。
内閣府の報告書によると、第1子一人当たりの年間子育て費用にかかる費目は次のとおりです。
◆衣類・服飾雑貨費 ◆食費 ◆生活用品費 ◆医療費 ◆保育費 ◆学校教育費 ◆学校外教育費 ◆学校外活動費 ◆子どもの携帯電話料金 ◆おこづかい ◆お祝い行事関係費 ◆子どものための預貯金・保険 ◆レジャー・旅行費
上記の項目から保育費、学校教育費、学校外教育費、学校外活動費、子どものための預貯金・保険を除いた金額で「養育費」を算出してみました。
12年前のデータですのであくまでも参考値ですが、大学を卒業する22歳までに少なくとも1,500万円の養育費が必要となることがわかります。
児童手当は大きな支援となる
この養育費ですが、子育て支援として子どもが生まれてから中学を卒業するまで国から児童手当が支給されます。相談者様の場合、0歳~3歳未満まで月額1万5,000円で年間18万円、3歳~小学校終了前と中学生まで月額1万円で年間12万円となり、生まれ月によって若干の差はあるものの総額で約200万円となります。
これを養育費に充てても良し、教育資金として貯めても良しなのですが、調査結果によると小学校入学までに年間57万円ほどの養育費がかかってきます。
相談者様の現状から予測するに、手取り月収21万円では足りません。現状の食費や保険料などを見直し捻出するか、児童手当を充てるか、ボーナスあるいは貯蓄を切り崩すなり不足分を補う必要がありそうです。