はじめに

投資にはたった4種類しかない

株はまだしも、FX、投資信託、ETF、REIT、ファンド……。

投資を始めようとして尻込みしてしまうのは、なんだかよくわからない専門用語がたくさん出てきてうんざりしてしまうからではないでしょうか。

じつは投資には、「株」「債券」「不動産」「コモディティ」の4種類しかありません。

これだけ理解しておけば、あとは応用になります。意外とシンプルでしょう?

(1)株

株は、その会社のオーナーになる権利です。

株式会社とは、株主から集めたお金を資本金として成り立っている会社です。

会社から見ると、「わが社が儲かったらそれに応じた分け前を払いますので、資金を出してくれませんか?」と広く呼びかけているのが株式公開です。

その会社の株を持つことは自分が会社のオーナーになるということなので、会社が倒産したら、オーナーとして一緒に責任を負うことになります。会社=自分というイメージです。

上場している会社の発行株数は決まっています。たとえばある会社が1万株を発行していたとき、その発行数に対して多くの人が「買いたい」という需要が多ければ株価が上がっていくし、発行数に対して需要がなく、買い手が少なければ株価が下がっていきます。

(2)債券 

債券は「会社にお金を貸してあげる」権利です。

たとえば、Appleという会社が10億ドルを調達したいとき、「みなさん、10億ドル貸してくれませんか?」と市場に借金を呼びかけ、1口10万ドルを10万口募集します。この募集に応じることが債券を買うということで、買った口数に応じてリターンを受けます。

株主はオーナーなので、会社は自分の持ち物で、自分と会社と同等の立ち位置です。

一方、債券を持つことは会社に借金させてあげる立場なので、会社より少し上とイメージするとわかりやすいでしょう。会社が倒産した場合は、株主より優先して、債券を買ってくれた人たちにお金が返ってくることになります(最優先は担保を取っている債権者です)。

債券の特徴は、株と違って「人気があるから値段が高い」「会社の価値が上がると株価が上がっていく」とはなりません。そのため債券は株式ほど大きく値動きしないのです。その代わり「10年間、固定で1%の利息がつきます」といった条件が最初から決まっていて、その条件が覆されることは基本的にありません。

会社の債券を「社債」といい、株と比べると発行数が少なく、買える金額も最低100万円ほどかかります。広くみんなに買ってほしいというよりは、借金したい金額が埋まればいいので、限られた人に買ってもらえばいいからです。

私たちが買いやすいのは、国の債券「国債」です。個人向け国債なら毎月発行され、1万円から購入できます。

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