はじめに

ESGに吹く逆風

リスク・リターン・プロファイルが日経平均とほとんど同じと述べましたが、細かく見れば、当然違いはあります。この二つの指数の差分(気候変動指数マイナス日経平均)をとると、下記のグラフのようになります。

過去に遡って算出した指数値と比べると、2019年初時点では気候変動指数が日経平均より700円くらい下回っていたのが、右肩上がりで差が縮まり、21年の後半にかけては逆に日経平均を上回っていました。

ところが、今年に入って、差分がマイナス方向に広がりました。つまり気候変動指数が日経平均に負けているのです。資源高を背景に、石炭や石油など化石燃料に関連する企業の株価が上昇に転じていたところに、2月にロシアによるウクライナ侵攻が始まり、資源関連株の値上がりが加速したことが背景です。ロシアのウクライナ侵攻でエネルギー調達に支障が出ている国があり、市場では「ESGどころではない」とか「脱炭素目標は棚上げすべきではないか」といった声もあるくらいです。まさにESGにとって逆風が吹いています。

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