はじめに

ライフプランを明確にする

どれくらい貯蓄をすれば良いのかを考える前に、今後のライフプランをどのようにするのか、どのような生活を送りたいのかを明確にすることからはじめましょう。

まず、お子様は現在一人ですが、第二子を望むのかどうか、また、現在は賃貸で暮らしていますが、持ち家を購入する予定はあるのかなどを考えてみてください。その他にも、親の扶養、介護をしなければならないのか、相続する土地や家屋、財産などがあるのかなども大切なポイントになります。

自分たちのことは夫婦で話し合い計画することができますが、親に関することは夫婦だけでは分かりません。何も決まっていないような状態なら、ご両親は将来の生活について、どのような考えをお持ちなのか、確認しておくと良いでしょう。

ライフプランが明確になったら、どれくらいの費用が必要になるのかを計算します。その上で、いくら貯蓄に回すことができるのかを考えていくと良いでしょう。

今のペースで貯蓄をしたら、どうなる?

現在は、毎月10万円を貯金し、ボーナスとして20万円貯金しているとのこと。これらを踏まえると、年間で140万円貯まる計算です。夫は現在42歳。60歳で定年を迎えるとした場合、あと18年間貯めることが可能です。

140万円×18年=2,520万円。

現在の預貯金残高1,120万円ですので、今のペースのまま貯蓄を続けることができれば、夫が60歳のときには、3,640万円が貯まっている計算になります。

60歳以降の生活費はどうなる⁈

夫が60歳で定年退職をした場合の生活費はどうなるのでしょうか?

生活費を15万円とした場合、収入は相談者様の月額8万円のみになります。単純計算で毎月7万円の赤字になるため、年金が受給できる65歳までの5年間で420万円を預貯金から切り崩すことになります。この場合、夫65歳のときの残高は、3,640万円-420万円=3,220万円です。

65歳から年金受給した場合の年金額は、厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」(令和2年度)のデータによれば、平均14万6,145円です。平均額が受給できている場合には、約1万円を上乗せできれば、預貯金を切り崩すことなく生活費を賄うことができます。

夫が65歳の時点で相談者様は57歳ですので、あと3年間は8万円の収入が得られるため、預貯金を切り崩すことなく、生活できることになります。

相談者様の収入が途切れ、世帯の収入が夫の年金のみになるのは、夫68歳、相談者様60歳のときです。この時の不足分は1万円で、5年間で60万円必要になります。ただし、夫が年金を貰い始めた時点でも相談者様は働き続けていますので、預貯金の上乗せができているはずです。夫65歳の時点での預貯金額3,220万円から、教育費として1,000万円取り崩したとしても、2,220万円が手元に残っていることになります。

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