はじめに

(5)財産のほとんどが自宅不動産である

自宅不動産が財産の大半を占めていて預貯金をあまり所有していないとなると、平等に分けることが難しい財産になり、遺産分割協議が難航する可能性があります。均等に分けるために不動産を売却する、または、不動産を相続人で共有し所有することになる可能性があります。自宅に住み続ける人がいる場合に、自宅不動産を売却することになると、住む場所を探さなければなりません。また、自宅に住まない人が不動産を共有で持つと、将来的に自宅の修繕、売却になった際には共有者全員の同意が必要になる可能性もあるので、住まない人が共有持ち分を持つことはあまりお勧めしていません。

【遺言書を作成すると】
「自宅に住む人に自宅不動産を相続させる」内容の遺言書を作成しておくと不動産の名義は住む人に移転することができます。こちらも遺産分割協議は必要ありません。

相続人同士の仲が良くても相続人が一人であっても遺言書があると便利

上記5つのパターンで共通することは、遺言書があることによって相続人間で遺産分割協議をすることなく財産の移転ができるということです。相続人間の仲が悪くて話し合いができないと考えられるとき、また、誰かに偏って財産を渡したいときに遺言書はもちろん必須ですが、相続人間の仲が良くても、相続人が一人であっても相続手続きをスムーズに進めるためには遺言書があると便利です。また、遺言書には「遺言執行者」を記載することができ、遺言執行者はその遺言の内容どおりに手続を進める役割を担っています。

遺言書があっても渡す財産に差があるともめごとになることも考えられますが、遺産分割協議ができない状態で、すべての財産の移転ができなくなることよりも、遺言書で財産の移転ができるようにしたあと、別途、財産の偏りを補填できるような対策を考えていくようにしましょう。

相続の対策は、財産額の大小にかかわらず全ての方に必要です。ひとりで悩まず終活・相続の専門家に相談することをお勧めします。

行政書士:藤井利江子

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