はじめに

投資にはさまざまな手法があり、そのやり方も投資家によって十人十色ですが、負けパターンには共通点があります。

そこで、為替ディーラー・井口 喜雄( @yoshi_igu )氏の著書『1日で数百億を動かす現役ディーラーが教える 勝者のトレード』(KADOKAWA)より、一部を抜粋・編集して負ける投資家の共通点を解説します。


投資で勝つ方法は十人十色、負けるのは……

仕事柄、これまで多くの投資家を見てきました。取引スタイルを投資期間で分類すると、スキャルピング、デイトレード、スイングトレード、中長期投資などがあり、投資手法には順張り、逆張り、あるいは分析手法にはファンダメンタルズ、テクニカルと多くのアプローチがあります。十人十色の投資家が存在し、やり方もさまざまですが、負けパターンには共通点があります。

負ける投資家の共通点(1) 値ごろ感で売買している

1つ目の共通点は「値ごろ感で取引している」ということです。

値ごろ感というのは、「なんとなく高い」とか、「なんとなく安い」とか、なんの根拠もなしに判断してしまうことです。たとえば、スーパーマーケットへ行って、昨日大根が100円だったとします。それが今日、90円に値下がりしていれば、安く感じます。それで買ってしまいます。

マーケットでは、現在の価格が常に適正価格です。現在の株価が500円の銘柄があれば、それが適正価格です。昨日の株価が600円でも400円でも関係ありません。過去の価格と比較して、「安い」とか「高い」とか判断するのは意味がないのです。

負ける投資家の共通点(2) ポジションに依存してしまう

2つ目はポジション依存です。たとえば、トヨタ自動車の株式を購入すると、トヨタを応援したい気持ちになります。ニュースなどを見ていても、自然とトヨタのいい情報ばかり目にとまるようになります。悪いニュースを目にしても、希望的観測で良いほうに考えようとします。

つまり、トヨタの株式を買ってポジションを持ったことで、そのポジションに依存してしまうことがよくあるのです。

投資で利益を得るには、常に冷静な判断を求められます。上がるのか下がるのか、客観的に判断する目を持っている必要があります。それができなくなってしまうのがポジション依存です。

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