はじめに

負ける投資家の共通点(3) ナンピンをしてしまう

ポジションを持って含み損が出てしまうと、手っ取り早く負けを取り返したいと思います。そのためには大きく儲けなければなりません。そのときやってしまいがちなのがナンピンです。

たとえば、A社の株式を500円で100株購入すると、投資金額は5万円です。その後に株価が400円になると、時価は4万円になり1万円の含み損になります。

その損失を軽減するために下がった株価、このケースでは400円で再び投資してしまうのがナンピン買いです。この場合の投資金額は次のようになります。

1回目の投資=500円×100株=5万円
2回目の投資=400円×100株=4万円(ナンピン買い)

1回目の投資だけでは、購入単価は500円です。しかし、2回目の投資をすると、合計投資額が9万円で200株を保有していることになりますので、9万円÷200株で購入単価を450円に下げることができます。

その後に株価が450円まで回復すれば、損失がゼロになりますし、500円まで回復すれば、50円×200株で1万円の含み益になります。

株価が下がり続けているときにナンピンを繰り返していけば、平均購入単価をどんどん下げることができるので、株価が上昇したときに一気に損失を取り戻せます。

しかし、これが大ケガのもとになるのです。ナンピンで大儲けするには、いずれ株価が上がることが前提です。そのまま下がり続ければ、大きな損失を抱えることになります。その結果、ナンピンする投資家は「頼むから上がってくれ」などと神頼みするしかなくなったりします。

プロでも避けられない負け組投資家の行動

以上、負ける投資家の共通点を3つ紹介しましたが、これは個人投資家だけの話ではありません。プロの投資家にも言えることです。私自身も値ごろ感で取引をしてしまうこともありますし、ポジション依存もしてしまいます。「これからドルは上がると思う」など、自分が持っているポジションについていいことをTwitterでつぶやいたりします。こうしたポジショントークはポジション依存している証拠です。リスクにさらされている中で、なんとか自分の気持ちを落ち着かせようと思ってポジショントークをすることもあります。

ナンピンも日常茶飯事です。神様へのお祈りもよくしています。すでに20年、この世界にいますが、それでもやってしまうのですから、避けて通れない面があります。

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