はじめに
アリババ売却、正念場を迎えている
ソフトバンクグループは中国ネット通販最大手アリババグループの株式を23.7%保有していましたが、8月10日(水)に保有する株式の一部を手放すと発表しました。このことで、アリババはソフトバンクグループの関連会社から外れることになります。中国を代表する企業であり、これまでビジョンファンドの成功例といえたアリババですが、中国政府が締め付けを強めたことなどが逆風となっていました。
このたびのアリババの売却は財務を良好にするために行われたようで、孫正義会長は会見において守りに徹するべき時としており、人員削減やグループ企業の売却、新規投資の縮小などに努めるようです。イギリスのフィナンシャルタイムスが、保有するソフトバンクグループの株を米ヘッジファンドのエリオット・マネジメントがほぼ全て売却したと報じるなど、ソフトバンクグループはいま正念場を迎えたと言えるのかもしれません。
ただ、今のところ株価を見ると過度な懸念はされていないように見えます。これからの動向も注目してみてください。
8月15日週「相場の値動き」おさらい
8月19日(金)の日経平均株価は、前日比11円81銭安の2万8,930円33銭と小幅に続落。8月12日(金)の日経平均株価は2万8,546円98銭でしたので、週間では383円35銭の上昇となりました。
7月のFOMCでは市場予想通り2会合連続となる0.75%の利上げとなりましたが、今週発表された7月分のFOMC議事要旨で、いずれどこかの時点で利上げを減速することが適切であると判断されていることが示されており、そのことで利上げペースが減速するとの期待感、見通しが引き続き相場を支えています。
雇用や景気の堅調が続くなか、インフレが落ち着けば懸念されていたリセッションが、軟着陸にシフトするとの先行き楽観視が株高につながっているようです。