はじめに

NISA改革の背景と懸念材料

今回のNISAの改革の背景にあるのは岸田首相の掲げる「資産所得倍増プラン」です。日本の個人現預金は1,000兆円を超えていて、これを投資に振り向けることで家計資産の拡大へとする考えのようです。改正要望では非課税期間を無期限とし、投資枠を広げることを求めます。この取り組みにより、長期投資を促したい意図がうかがえます。

但し、懸念材料もあります。先日、自民党の宮沢洋一税制調査会長は、株式の配当や売買にかかる金融所得課税に関し「議論はしないといけない」と述べられています。NISAを拡充する反面、年間の所得が1億円を超えると所得税の負担率が下がる「1億円の壁」を改めて問題視するなど、課税強化の可能性もあります。

現在はNISAの恒久化について金融庁が要望しているだけの状態であり、今後議論される予定です。NISAで人気の銘柄は商船三井(9104)、武田薬品(4502)、JT(2914)、日本郵船(9101)などの高配当株や、すかいらーく(3197)やマクドナルド(2702)の優待銘柄です。そんな中で、日経ダブルインバース (1357)も人気があります。

前々回の記事にも掲載しましたが、金融庁はレバレッジ型・インバース型ETF等は、主に短期売買により利益を得ることを目的とした商品であり、投資経験が少ない個人投資家の方が資産形成のためにこのようなETF等を投資対象とする際には、取引の仕組みや内容を十分理解し、取引に伴うリスク・コストを十分に認識することが重要、と警鐘しています。

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