はじめに
日経平均のルールを変えた任天堂
少し余談になりますが、私は長い期間、証券ディーラーとして国内株式相場を生業としてきました。任天堂は古くはカードゲーム(花札やカルタ、百人一首)の会社でしたので、ディーラー仲間は親しみを込めて任天堂を「トランプ」と呼んでいました。
一方で同社の取り組みは1970年代後半に家庭用テレビゲーム機を他社に先駆けて発売したり、1980年に一大ブームとなった時計と小型の液晶ゲーム機が1つになった(当時は1つの物が2役こなせるのは画期的でした)「ゲーム&ウォッチ」を発売、1985年にはファミコンソフトのマリオブラザーズの大ヒットがあります。時代を象徴する製品を手掛け、着実に成長を遂げたのは周知のとおりです。
世界的に蔓延した新型コロナウィルスですが、これまでゲームに無縁だった人たちが、このことをきっかけにゲームユーザーへと導かれたかもしれません。1回目の緊急事態宣言は2020年4月でしたが、この時期から株価は大きく上昇しました。
長年、同社株は大証銘柄(大阪取引所)の代表格であった為、日経平均株価(東京証券取引所プライム市場上場銘柄から選定した225銘柄で構成される平均株価)に採用されていませんでした。2013年に東証と大証が統合した事をきっかけに東証(東京証券取引所)へと一本化された事などを受け、昨年、同社は日経平均株価の採用銘柄となりました。
ただし、それまでの計算方法を用いると日経平均株価の構成比率が高まる事から、日経新聞社は換算係数での算出に変更し、これまで採用が難しいと思われた、値段の高い企業が日経平均株価に採用される仕組みへと変更しています。
日経平均株価の採用ルールを変えたのも同社とも言えそうです。
今回は、任天堂の企業としての歴史を振り返ってみました。投資助言や銘柄推奨ではないことをご理解ください。
日本のゲーム産業は世界からも評価が高いとされています。日本経済の起爆剤となり、日本経済が発展する事を願いたいです。