はじめに
お客さまが幸せな気持ちになれるP.S.トーク術を身につける
どうやったらお客さまがハッピーな気持ちになってくださるか?
とにかくこれをいつも考えてきました。そして、思いついたのが「私って運がいいな」「なんてラッキー」と思ってもらうこと。これをトークで展開します。
たとえば、あなたが車を購入するとき、
「今、キャンペーンをやっておりまして、ご購入していただいたら、なんとタイヤが一個ついてきます。どうですか?」
と言われて買った場合と、もう全部契約が決まった後に、
「○○さんってすっごい運がいいですよね。さっき言わなかったんですけど、実は今ご購入の方にはタイヤが1つついてくるんです!」
と言われたのとどっちがハッピーですか。
後者のほうが「え、そうだったの? ラッキー!」と思いませんか?
前者だと買ってもらうためのプレゼント、みたいな嫌らしい感じが残りますよね。言い方はよくないけれど、それで釣る、という印象になってしまいます。
でも、後者だと、「お客さまは運がいい!」というサプライズプレゼントになります。
信頼を築けていないと人は先にキャンペーンの内容を言ってしまって釣ろうとするのですが、つながりができていれば、キャンペーンを使わなくても買ってくださいます。
だからこそ、お楽しみは後からついてきて、よりお客さまが喜ぶ結果となるのです。
私はこれをP .S .トークと名付けています。つまり「追伸」トークです。
さらにそこにちょっと嘘をプラスします。
「○○さんってほんとに運がいいですよね。このキャンペーンタイヤの数が限定で、もうあと少しで品切れだったんです」。実はもう少し数はあるのだけど、こんなふうにほんのちょっとの嘘をついてさらに「私ってラッキー」を際立たせます。
お客さまをよりハッピーにさせるのです。
「私ってラッキー」という思いが残れば帰り道も気分がよく、家に帰ってからも奥さんにやさしいかもしれない、家事を頑張っちゃえるかもしれないし、家族の前でニコニコしていられるかもしれない。
奥さんに「俺、今日すっごい運がいい買い物をしたんだよ」。
旦那さんに「ほんと超ラッキーだったの」と、報告するかもしれない。
笑顔いっぱいで。
そんなことを想像して私はちょっとだけ嘘をつくのです。
その日一日、お客さまとその家族が幸せな気持ちになれば、それはそれで私にとってすごく嬉しいことなのです。
※編注:初出時、タイトルに誤りがありました。