はじめに
つみたてNISA、組入銘柄を見直すとよい人の特徴
つみたてNISA口座内では、基本的には対象商品を購入するたびに新規の非課税投資枠を消費します。非課税投資枠を消費しきれていない方は、頻繁な売買をすることも可能ですが、枠を使い切っている方の場合は、頻繁に売買するよりも、じっくりと資産形成していくイメージになるでしょう。
長い積立期間では、組入銘柄を変更することもでてくると思いますが、どのような時に見直すと良いのでしょうか?
リスクの取り方を変えたい時
投資経験が上がってきたので、バランスファンドから個別のインデックスファンドに変えたいという場合や、定年が近づいてきたので、個別のインデックスファンドからバランスファンドに変えたいという場合など、年齢や経済状況、人生観などを考慮して、当初決めた商品から変えることができます。
より低コストの投資信託に変えたい時
運用のベンチマーク(参照値)が同じインデックスファンドや、運用方針が似ているアクティブファンドにおいて、より信託報酬などの運用コストが低い商品がでてきた場合には、今後積立ていく商品の見直しを検討しても良いでしょう。
世界や日本の株価が大きく上下した時
直近3年間だけでも、コロナショックやウクライナ侵攻などにより、世界的に株価が大きく上下しました。今後も年間10%や20%はもちろんのこと、40%や50%も大きく上下する可能性は少なくないでしょう。株価が大きく上下すると、事前に準備していないと対応が後手後手にまわってしまい、当初の老後資金計画に比べて、自分の資産が大きく上下にブレてしまい、老後の資金不安が高まります。そのリスクを軽くするためにも、大きな世の中の動きを意識しつつメリハリのあるメンテテンスを心がけましょう。
このようにいくつかのケースが考えられますが、これまで積立ててきた投資信託を売却せずにそのままにしておいて、その積立設定を解除し、これから積立てたい投資信託の積立を新規設定することで変更できます。
環境が変わったらログイン!
つみたてNISAは、一度積立て始めたらほったらかしで良いと思うかもしれませんが、そんなことはありません。仕事や家族構成、生活スタイルが変わった時、世界や国内情勢に大きな変化があった時、世界や日本の株価が大きく上下した時などには、口座にログインするクセをつけていくとよいでしょう。
つみたてNISAは利益に対しては非課税ですが、損失をほかの利益と相殺したり、翌年以降に繰り越したりはできないため、長期間積立をしていれば必ず利益になるかのような極端な思い込みは禁物です。マーケット環境は自分だけに都合よく変化してくれることはありません。
世の中のこと、社会のことを学ぶのに、積立投資はとても有効なツールのひとつです。つみたてNISAを通じて投資の勉強をするだけでなく、それ以上に我々と社会との関わり方やあり方を学び、今後の人生を豊かにするために活用いただけることを願っています。