はじめに

今回は証券会社を通じた海外株式の話ではありません。オフショア地域での投資や、現地で扱われている投資についてです。

「オフショア」(Offshore)とは岸から離れたという意味で、つまり海外、特に金融商品においては発展途上国や新興国を指すことが多いです。そのため日本の法律が及ばないことがよくあり、トラブルになるケースも少なくありません。また日本でその手の金融商品を購入すること自体が、実は日本の法律に抵触しているケースもあったりします。

そのため、内容を理解できることは当たり前ですが、その商品により発生するリスクも理解した上で、投資判断する必要があります。決して利回りが高くて魅力的、というだけで手を出すのは止めていただくことが一番です。

これはどの投資も同じですが、基本的に投資の内容が理解できない場合は話を聞くだけにしておきましょう。


過去、日本で流行したオフショア投資

今から10年前にブームのようになったオフショア投資があります。それは香港の保険を活用した、日本でいうところの変額個人年金に加入し、年間の利回りが10%以上で運用されている実績があり、それで25年後の満期には元本が数倍になっているというものでした。

このオフショア投資の最大の魅力は、最初の2年間にボーナスによる上乗せがあることです。香港に行って保険に加入することになるので、保険会社と契約者の関係になります。そしてその保険料の引き落とし方法はクレジットカードが一般的です。もちろん投資である以上、元本を保証するものではないです。しかし、保険会社がボーナスとして資金を追加してくれる、その金額が相当上乗せされていたため、非常に魅力的でした。

また、今は難しいのではないかと思いますが、当時は香港上海銀行(以下HSBC)に口座を開設し、一定の金額を貯金しておくことで香港での銀行口座を取得することができました。この香港に行くパターンは海外オフショア投資の王道だったと思えるくらいの勢いがあり、当時この香港の保険を日本で仲介する紹介業者が本当に多くいたのをよく覚えています。

オフショア投資、登場人物を整理する

香港の保険投資を例に、オフショア投資ではどのような登場人物が存在しているのかを確認します。

まず1人目はお金を出す「保険契約者(投資家)」。次に保険を提供する「保険会社」。3人目は、将来のお金の受け取り用として「HSBC」。ここまでは日本国内の金融商品や保険と同じ話ですね。しかし、オフショア投資の場合は他に「IFA」という登場人物が存在します。

つまり、保険契約者、保険会社、HSBC、IFAの4つが関係しています。

IFAとはどういった存在か

登場人物のうち、保険契約者はご自身であり、保険会社は保険会社、HSBCも銀行なのでイメージしやすいですが、IFAだけはあまりなじみがないかもしれません。

では、IFAはどのような仕事をしているのか。それは保険契約者に代わって運用をしていると思ってください。投資をする際に運用をどうするかを判断することは簡単ではありません。その投資方針を顧客ごとの状況に合わせて調整し、運用を行っています。つまりIFA次第では利益が出ることもあれば、損失が出ることもある非常に重要なポジションです。

なお筆者もIFA業を行っており、日本にもIFAは存在します。

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