はじめに

オフショア投資のリスク

オフショア投資の主だった3つのリスクについて確認していきます。

運用リスク

投資である以上、運用によるリスクがあることは当然です。もちろん、最低保証付きの商品もありますので、すべてに運用リスクがついているかどうかは商品次第になりますが、多くの場合は米ドルや現地通貨建てになっているため、運用リスクとは別に為替リスクがあることも注意が必要です。

税務リスク

海外の金融商品である以上、まずは現地の法律により課税されます。そして、日本の税金もかかることを認識してください。税金については専門家にご相談いただきたいのですが、そもそもオフショア投資の利益を何税で申告すればいいのかについては不透明な部分があり、もしかしたら相当な利益が出ていたけど、予想よりも多くの税金を納付することになる可能性もあります。

保全・管理リスク

投資をする以上、運用リスクは当然ですし、利益が出ていたら課税もされます。この2つについてはそこまで重要な問題ではありません。しかし、最後の保全・管理リスクは極めて重大な問題をはらみます。

オフショア投資は契約期間が長期になっていることがほとんどで、その多くは期間が20~25年くらいに設定されています。当然、その間でいろいろと変わることだってあります。

例えば、保険契約者が引っ越ししたら住所が変わり、クレジットカードが更新されてカード変更をしないといけないこともあります。また、海外の銀行口座は日本とは異なり、1年間口座に動きがなかったら凍結される場合もあり、それをそのまま放置していると2年経過で口座が無くなることもあります。口座が無くなった場合、オフショア投資のお金をどこで受け取ることになるのか、非常に大きな問題です。


海外での投資と聞くと、普段聞きなれないこともあり、日本と違って投資の文化が進んでいるから高い利回りの商品がいっぱいあるのだろうと、思われる方もいるかもしれません。確かにそのような側面もあるかもしれませんが、その利回りを取りに行くことで運用以上に保全・管理上のリスクを抱えてしまっている場合が非常に多くなっています。

現代では投資をすることが当たり前の感覚になっている部分もあり、そのためオフショア投資なども選択肢に挙がるかもしれません。「これから伸びて高利回りも期待できる」「税金がかからない」などの甘い言葉を鵜呑みにせず、自分で管理しきれない可能性の高い物は極力避けることが無難だと感じます。

この記事の感想を教えてください。