はじめに

掛金の拠出をお休みする

どうしても掛金を拠出することが難しい場合は、運営管理機関に「資格喪失届」を提出して、積立をお休みすることもできます。積立はしませんが、それまで積み上げてきた資産はそのまま口座に残りますので、その運用のみを継続します。そのためこのような方を「運用指図者」と呼びます。

改めて掛金の拠出をする場合は、再度「加入者」となる手続きを行います。なお、運用指図者として運用のみを行う場合と、加入者として掛金の拠出を行う場合、支払うべき手数料が変更されますので、あらかじめ確認しておきましょう。

例えば、転職のタイミングで厚生年金から国民年金に自身で切り替えを行わなければならない場合があります。よくあるのは、その手続きを怠ってうっかり国民年金保険料を「未納」のまま放置してしまうケースです。iDeCoは国民年金保険料を納付していることが加入資格者の要件ですから、未納期間は資格を喪失することになります。

この時、「すぐに次の会社に就職するからそのままで良いだろう」などといって適切な手続きをしていないと、未納期間中に拠出した掛金が返金されることもあります。iDeCoは、勤務先が変わった時は必ず手続きが必要だということを忘れないようにしましょう。

また運用指図の期間は、前述した「退職所得控除」にカウントされないという点も覚えておきましょう。

つみたて計画を見直す

掛金の拠出が難しい場合、上記3つの対処法が考えられます。非常時のための知識として知っておくことは大切ですが、恒常的に掛金の拠出ができない場合は、iDeCoが問題なのではなく根本的な生活設計の見直しが必要な時ですから誤解しないようにしましょう。

生活収支の見直し、つみたて計画の見直しを実施し、ご自身の人生の目標を見失わないよう、長い人生を視野に立て直しをはかることが重要です。

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