はじめに
NISAで買うべき銘柄
「つみたてNISA」では、金融庁が「これなら大丈夫!」と認めた積み立てタイプの商品にしか投資することができません。積み立てて少しずつ増えていって欲しいので、過去の運用実績を参考に、少しずつでも金額が上昇傾向にあるものが良いといえます。そして、得た利益の税金が0円ということで、「お得に運用できたね!」ということになります。
一方、「一般NISA」では、投資信託などつみたてNISAで選べる商品はもちろん、個別株などにも投資が可能になりますので、株価の上がり下がりを利用して、低いところで買って上がったところで売り、値上がり益をゲットするということもできます。
また個別株なら、会社が儲かった利益に対応して配当を分配してくれます。値上がり益だけでなく、この配当に対する税金も0円になる点がお得ということです。つまり、一般NISAの場合は「これから値上がりしそう」とか「配当をたくさんくれる」という株を持っていると、それだけ節税のメリットも大きいということになります。
配当がないと意味ない−−優待だけならNISA不要
さらに、個別株なら「株主優待」という制度があり、株主に自社製品や商品券などを送ってくれる会社があります。
この株主優待は、「◯月末で株主の人に優待を送りますよ」と決まっていて、ちょうどいま、10〜11月ごろのタイミングで、優待品を発送する企業が多くあります。なかには3月末に保有で10月に届くという、半年もタイムラグがある会社もあります。
ギフトカードやお米券、図書券などの金券を送ってくれる会社もたくさんあり、100株持っているだけでこのような優待をゲットできるので、株価が低い会社なら5万円以内でも年に1度商品券が送られてきて、ちょっぴり嬉しいです。
このような、低価格で買える会社は、株主優待はくれるけれど、配当金はくれないというパターンもあります。こんな株をNISAで持っているとどうなるでしょう?
もし、ずっと持ち続けて優待を貰い続けるというのを目的に持っているのであれば、NISAの枠で買う必要は全くありません。値上がり益も狙わない、配当もくれないのなら、運用益は入ってきません。運用益が非課税になるのがNISAのメリットですから、優待目的で持つ株をNISAで持つことは、無駄にNISA枠を使ってしまい、運用益が得られる株が買える枠を圧迫してしまうので、NISAで買うべきではないのです。
※編注:初出時に内容に誤りがありました。
NISAしか知らないという皆さんも、証券会社でNISA口座を開いているということは、一般の証券口座も必ず持っています。銀行で口座開設すると、はじめに必ず普通預金を開いて、それとは別で積み立て預金口座などを開けるのと同じことで、証券会社ではNISAを開く前に必ず一般の口座はすでに持っています。
配当金もなく値上がり益を狙わない「株主優待目的」の個別株を買うときは、NISA枠を使うと限られた枠を減らしてしまい「なんて……嘆かわしい!」となるので、一般枠で買付を行ってください。