はじめに

──インボイス制度について、SNS上では反対の声も多いですが、実際に施行された後の持続可能性というのはどのようにお考えでしょうか。

かじがや:税理士会としてはどうしても事業者の業務量が増えていってしまうので、インボイス制度には反対していますが、政治が変化しない限りは持続するものだと思っています。

小島:専門家として内容の確認や事業者さんへの説明などの業務が増えますが、業務量に見合ったコストを支払っていただけるかというとあまり期待できる部分ではないので……。これに関しては、誰も得することがないのではないかと思うこともあります。

かじがや:電子決済によりキャッシュレス化も広く普及してきていることもありデジタルで取引履歴も追えるので、帳簿をつけるツールなどを使えば実は昔ほど大変な作業ではなくなってきていると思います。

小島:さまざまな情報を自動で取り込んでアウトプットするだけになれば申告作業が難しくなくなる社会がやってくるとは思いますが、それが何年後になるのかの見通しがまだ立っていないように思います。

諸外国はすでにデジタル化されているところもあり、特に韓国などはだいぶ前からインボイスが義務付けられています。そういった部分もあり、日本としても推進していきたいのではないかとも思います。

かじがや:個人事業主は個人事業主で相手がインボイス対応かどうか確認しないといけないので、事務負担は圧倒的に増えますね。確定申告ですらやっと、という方にとっては悩ましいですね。

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次回は、インボイス制度が始まるとき、どんな対応をすればいいのか。今後取るべきインボイス制度の対策についてお聞きします。

写真:Daisuke Ishizaka

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