はじめに
ソフトバンクGにみる自社株買いの効果と注意点
今回の決算発表前に話題となったソフトバンクG(9984)の自社株買いについてお伝えしたいと思います。
昨年、2021年11月8日(月)に同社は1 兆円の取得枠(2021年11月9日(火)〜2022年11月8日(火))を公表しました。9月末までの取得が8,677 億円にとどまっていた為、期限の11月8日(火)までに1 兆円分を取得し切れないかと思われていました。しかし、10月17日(月)に発表された自社株買い取得動向で、10月3日(月)〜10月17日(月)に、それまでの3ヵ月間の3倍以上のペースで(1,323億円)取得し、ほぼ1兆円に達して終了した事が報告されました。
また、2022年8月8日(月)に発表した4,000億円分の取得枠も、10月18日(火)〜10月31日(月)の期間に1,976億円取得していた事が11月8日(火)に判明しました。 わずか10営業日で取得枠の49%にあたる株式を取得したことになります。 この事により同社株は10月に1,500円(+30%)上昇し、9月末から11月11日(金)までの期間では2,119円(43.2%)も上昇しました。
10月は中国企業の下落が目立ち、同社が保有するアリババ株も下落する中での株価上昇は異彩を放っていたように感じます。自社株買いの取得報告により同社株の上昇も頷けました。
以前は、決算発表前は自社株買いは控えていたように記憶しています。ただ、2022年の5月の決算前にも自社株を取得をしており、今回も同様に自社株を取得していました。決算発表前日の11月10日(木)に8月8日(月)の公表分の自社株買いが終了したと報告されました。翌日、11月11日(金)に決算発表が行われましたが、案の定、決算内容は芳しくなく株価は急落しました。一部ではMBOの検討もされているなどの噂もあり、追加の自社株買いの期待などもあったようですが、執筆時点の11月18日(金)までにはそのような報道はされていません。
このように株価に対してインパクトを与える購入方法(自社株買いの)は、後々株価が大幅に下落する要因になる事があります。株式投資をしていらっしゃる方にはぜひ覚えておいてほしい内容です。