はじめに

予見可能性はある?

最近、よくある話としては、自分たちでオウンドメディアを立ち上げ、そこでマネー関連の記事をファイナンシャルプランナーなどに書かせるケースです。

某情報商材会社が、「年平均リターン数百%を実現している運用者が発信する情報に基づいて売買すれば、誰もが高いリターンを享受できる」といったことを匂わせて、会員を集めているという怪しい案件があったので、いろいろ調べていたところ、その情報商材を積極的に広告しているネットメディアがありました。

そこにはファイナンシャルプランナーと呼ばれている人たちも寄稿していたのですが、なぜそのネットメディアが、そのような怪しい情報商材を推す広告を掲載しているのかを不思議に思い、運営会社の概要を調べたところ、その情報商材会社の子会社であることが分かりました。

恐らく「メディアなどに出ているファイナンシャルプランナーたちが寄稿しているメディアの広告だから信用できる」と思い込ませたかったのでしょう。

では、なぜ弁護士や公認会計士などの有資格者や、ビジネスの最前線で活躍していた人、メディア、ファイナンシャルプランナーといった人たちは、微塵も「この連中は怪しいのではないか」ということを疑うことなく、結果的に詐欺連中に加担するようなことをしてしまうのでしょうか。

これだけ情報が豊富にある時代、少し調べれば、この会社のアドバイザーになるべきか、そのメディアに寄稿するべきか、あるいは一緒にセミナーを開催するべきかの是非は、簡単に分かりそうなものです。つまり、十分に予見可能性があるといえるのではないでしょうか。

冒頭の話の流れでいえば、もし予見可能性があるとしたら、仮に詐欺事件に発展した場合、損害賠償を負うことになっても不思議ではない、のです。

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