はじめに

コスト面ではインデックス投信やバランスファンドに軍配

ただし、すべての面でロボアドバイザー投資が有利というわけではありません。インデックス投資の金融商品は、連動する指数が同じなら運用成績も同じなので、最終的な成果は資産から差し引かれる運用コストに左右されます。現在、国内のロボアドバイザー投資の手数料は、年間で預かり資産の1%前後という水準が中心ですが、個別のインデックス投資信託やETF(上場投資信託)では、0.1〜0.8%程度の商品も多くあります。こうした商品を自分で組み合わせれば、より安いコストで世界分散投資が可能です。

また最近は、1本の投資信託で幅広い世界分散投資が可能な「バランスファンド」も登場しています。たとえば、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS最適化バランス」シリーズでは、リスク許容度に合わせて資産配分が異なる5本がラインナップされています。ロボアドバイザーと同様、サービスサイトで簡単な質問に答えると、リスク許容度とおすすめの1本を診断でき、運用コストにあたる信託報酬は0.54%(税込)と、安く抑えられています。

定額取り崩しや下落ショック軽減など独自のサービスも

それでもロボアドバイザー投資各社では、ユニークなサービスを用意している点にも注目したいところです。

マネラップ(マネックス証券)

マネックス証券で利用できるマネラップ(MSV LIFE)は、資産運用の目的に応じて投資プランを立てられるのが特長です。たとえば、退職金などまとまった金額を一括投資し、毎月一定額を取り崩して生活費に充てながら残りの資産を運用したり、スタート時に子どもの教育費など目標を設定し、一定期間積み立て投資をした後で必要な時期になったら一定額を取り崩すといった方法も可能で、目標が実現しやすいよう事前にリスクレベルを調整できます。資産運用では軽視されがちな出口戦略までしっかりサポートしている点は、初心者に頼もしい機能といえるでしょう。

ウェルスナビ

ウェルスナビでは、「マメタス」という「おつり投資」サービスを利用できます。たとえば、780円の買い物をした際、1,000円札で支払いした場合のおつりにあたる220円を自動でロボアドバイザー投資に回すことができるのです。家計簿アプリと連携することで買い物額やおつりのデータを取得し、「チリも積もれば山となる」小銭の投資を実践できます。

おつり投資自体は、単体でサービス提供する企業がありますが、月額数百円の手数料がかかるため少額の投資では不利になってしまいます。ウェルスナビで積み立て投資している人なら同様のサービスを無料で利用できる点が強みです。

楽ラップ(楽天証券)

楽天証券が提供する「楽ラップ」は、金融危機など株式市場で急激な変動があった際に、株式への投資割合を減らし、債券の投資割合を高めて損失を抑える「下落ショック軽減機能」を有しています。この機能が発動すると、下落後に急激に回復した場合の利益を取れない可能性もありますが、価格変動リスクを抑えたい人には魅力的な機能です。

とことんコストを抑えたい人には、投信商品と配分を提案するだけで、実際の投資は自分で行うタイプのロボアドバイザーを活用するのも手です。松井証券の「投信工房」は、8つの質問に答えるとリスク許容度が診断され、おすすめのインデックス投信のラインナップとその配分が表示されます。

機能やコスト面のほかに、投資する対象が異なることも覚えておきましょう。大きく分けて、取引規模が大きく流動性の高い米国ETF、既存あるいは専用の投資信託、東証に上場するETFの3種類があります。ETFの方が機動的な投資ができますが、投資家サイドから見て大きな違いはありません。