はじめに
2023年に注目されるセクター
昨年12月、日本銀行がこれまでの大規模な金融緩和策の修正を決定し、これまで0.25%程度に抑えてきた長期金利の上限を0.5%程度に引き上げる事を発表し、メガバンクをはじめ地銀株が買われました。日銀の政策変更により、三菱UFJ銀行やみずほ銀行は2023年1月の住宅ローン金利について、10年固定で前月比0.2~0.3%程度の引き上げをする予定です。固定金利は上昇するものの、契約者の9割が選ぶ変動金利は据え置きとなる見込みです。
今年の3月で黒田日銀総裁の任期が満了となり、4月には新総裁が決定する予定です。新総裁の元で2016年から続くマイナス金利解除や、大規模金融緩和の縮小などが行われた場合は、銀行株には恩恵となりそうです。
反面、米国の金利が大幅に上昇した事を受け、米国ナスダック指数が30%を超える下落となり、その影響を受け日本のグロース銘柄の下落も目立ちました。ベネフィット・ワン(2412)、メルカリ(4385)、Sansan(4443)、ラクス(3923)、マネーフォワード(3994)などです。その他では、東京エレク(8035)、レーザーテック(6920)などの半導体関連も値下がりが目立ちました。
最後に2023年に注目されるセクターをお伝えします。
昨年12月に政府は2023年度の予算案を発表しました。その中で4分野を重点ポイントとして掲げました。防衛、こども政策、地方・デジタル田園都市国家構想、GX(グリーントランスフォーメーション)です。
こども政策では、4月にこども家庭庁を創設します。出産育児一時金について42万円から50万円に引き上げるほか、妊娠時から出産・子育てまで一貫した伴走型相談支援します。
デジタル田園都市国家構想は、自治体のデジタル実装の加速化やデジタルの活用による観光・農林水産業の振興等の地方創生などを支援するとしています。
GXでは、2050年カーボンニュートラル目標達成に向けた革新的な技術開発やクリーンエネルギー自動車の導入などの支援を開始します。
昨年同様に、この4分野のセクターから株価が上昇する企業も出てくるように感じています。