はじめに

9年連続増収増益の超優秀企業

ネクステージは、中古車の買取・販売を全国展開しており、ライバルとしては「ガリバー」を運営するIDOM(7599)が挙げられます。どちらも売上高は4,000億円強ですが、ネクステージは販売が強いため小売業、IDOMは買取が強いため卸売業に分類されています。上場したのはネクステージは2013年、IDOMは1998年とIDOMのほうが先輩ですが、ネクステージの成長率がすさまじく、IDOMがかなり追い上げられている状況です。売上高の規模は同レベルですが、会社の評価額とも言える時価総額でみると、ネクステージは2,140億、IDOMは7,400億と3倍近く差があり、株式市場では、ネクステージのほうが有望とされています。
※編注:初出時、時価総額に誤りがありました。

ネクステージは、2015年から今期の予想まで含めると9年連続で2桁の増収増益の優等生企業。実際、長期で株価を見ると、上場以来、右肩上がりで上昇しています。一方のIDOMは業績の推移がデコボコしていますので、その点が時価総額の差に現れているのでしょう。

けして目新しくはない中古車販売ビジネスでこれほどの成長を継続している強みは、店舗ごとに販売車種を絞り込み、専門店を展開し、顧客にあった車を提案できるところにあります。また、販売して終わりではなく、車検や保険などカーライフに関わるサービスをワンステップで提供できる総合店を強化し、年間20店舗ペースで出店。47都道府県すべて制覇をもくろんでいます。

それでも決算直後に売られる理由

ネクステージのようにいつも好決算を出してくる企業の悲しみとして、投資家たちがそれを当たり前と思っており、好決算でもびっくりされないという事があります。毎回100点を取っている生徒が、100点取っても、誰も驚きませんよね。

株価が勢いを増して上昇するときは、“サプライズ”というアクセルが必要です。ネクステージの今回の決算では、残念ながらサプライズはなかったのです。さらに言えば、いつも100点の生徒が90点を取ると、大きく落胆されます。ネクステージの決算も、よく見るとがっかりポイントがいくつかありました。

がっかりポイント(1):増益率が低下していること
2021年11月から2022年11月の営業利益の増加率は④42.6%、それにたいして2022年11月から2023年11月の営業利益予想では増加率が⑧28.5%に低下。つまり伸び率の鈍化です。

がっかりポイント(2):3ヵ月推移でみると減益していること
2022年6-8月の営業利益は5,605(百万円)、9-11月は4,692(百万円)と営業利益が減少しています。一方、売上高は伸びているので、結果的に売上高営業利益率が低下しています。とはいえ、輸送費や人件費の高騰を加味すれば、この程度の減益で済んでいるので目くじらをたてるほどでもないかと思います。

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