はじめに

支払い金額が多いのはなぜか

源泉徴収票が手元に届くと「想像よりも支払金額が多かった」と感じる方もいるでしょう。「支払金額」は税金等天引き前であることに加え、先にも説明したように各種手当が加算されるため多く感じるかもしれません。

例えば通勤手当。通勤手当は以下のように1ヵ月当たりで定められた金額を超えた部分は、給与として支払金額に加算され、課税対象となります。一例ですが、下記のように細かく定められています。

・片道 10 km以上15 km未満:7,100 円を超える部分
・片道 2 km以上10 km未満:4,200 円を超える部分
・片道 2 km未満:全額加算
国税庁「給与所得の範囲」より

通勤手当以外に、家族(扶養)手当、住宅手当なども給与所得となり課税対象になります。

確定申告の義務がある人とは

源泉徴収票を受け取っていても、所得税が正しく精算されていない場合は確定申告をしなければなりません。主に、以下のような方が該当します。

(1)給与の収入金額が2,000万円を超える
(2)1か所から給与の支払があり、給与や退職所得以外の所得が20万円を超える
(3)給与を2か所以上から受けていて、年末調整されなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得以外)の合計額が20万円を超える

上記に該当すると確定申告の義務が生じる可能性がありますので、税務署か税理士に相談しましょう。

中途退職などで年末調整がされてない場合などは、確定申告をすることで所得税の一部または全部が還付されることがあります。納税ではなく還付になる場合は確定申告が義務にはなりませんが、ぜひ申告しましょう。

再発行の手続き方法は

源泉徴収票を紛失してしまい、再発行を希望する場合は、会社に請求すれば再発行してもらえます。既に退職している職場でも可能です。アルバイト・正社員などの雇用関係なく、従業員であれば再発行してもらえるので、必要な年分を伝えて発行してもらいましょう。

紛失などによる再発行ではなく、会社側がそもそも源泉徴収票を発行してくれない場合も、まず会社に請求する必要があります。その後、何度請求しても発行してもらえない場合は、「源泉徴収票不交付の届出書」を税務署に提出することができます。

会社とやり取りした経緯(日付など)を分かるように記録しておきましょう。「源泉徴収票不交付の届出書」にその経緯を記載して税務署へ提出すると、源泉徴収票が発行される可能性があります。

ただし、かなりの時間を要することが多いためあまり合理的ではないかもしれません。


源泉徴収票は会社員の方にとって「自分の収入に関するすべて」が詰め込まれていると言っても過言ではないでしょう。きちんと読み取れるようになってしっかり自己管理に役立ててほしいと思います。

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