はじめに
やりたいことがないときの2つのヒント
自分発信タイプの人は、そもそもやりたいことがはっきりしています。
一方で、環境適応タイプの人は、自分がやりたいことが明確にわかっていない場合が多いでしょう。その場合には、次の2つの質問でクリアになります。
(1)誰に、何をしてあげたいか?(どうなってほしいか?)
(2)やりたくないことは何か?
たとえば、「親に恩返しがしたい」みたいなことでもいいでしょう。それがキャリア? と思われるかもしれませんが、人生や生き方こそがこれからのキャリアですから、それでいいのです。
子供に幸せになってほしいでもいいし、飲食店を応援したいでも、工場を支援したいでもかまいません。会社で上司の役に立ちたいでも、自らリーダーシップを取りたいでもOK。身近な家族のことでも会社のことでも、社会のことでも、どんなレベル感でもいいんです。環境適応タイプの人は、自分がどうしたいかを決めるのが苦手な反面、何かをしてあげる対象を決めると、やりたいことのイメージが湧きやすいのです。
もう1つの方法は、やりたくないことを考えてみることです。
世の中の画期的な商品や革新的なサービスは、人々のちょっとした不満から生まれることがよくあります。
あるメーカーは、SNSでユーザーの不満をポイントで買い上げる「不満買い取りキャンペーン」をやっていたくらい、不満というのは新しい価値を生み出すパワーになるというわけです。そこで、やりたいことが見つからないときも、やりたくないことから考えてみましょう。
満員電車に乗りたくない。1日中デスクに座っていたくない。そんな簡単なことでもいいのです。あるいは、人に喜ばれない仕事はしたくないとか、環境に悪い商売はしたくないとか、観念的なことでもいいでしょう。まずはそうして考える起点を作ることから始めてみます。
ちなみに、サンプルの安田さんは、 〈自分発信タイプ〉 で、デジタル×組織・人材開発のプロになりたいという目標を持っています。自分がそれを極めることで、多くの人に働き方の効率を上げるテクニックを伝え、誰もがワークライフバランスをとれるような社会を目指しています。
山田さんは 〈環境適応タイプ〉 で、自分を含めた大人がいきいきと働く姿を子供たちに見せることで、その後のキャリアをより自由に選択してくれるようになってほしいという夢を持っています。