はじめに

2022年11月19〜20日、“みんなで学んで、一生役立つ。”をテーマにしたオンラインイベント「お金のEXPO2022 オンライン」が開催されました。

19日に行われた『お金の4つの使い方~使ったお金はどこへ行く?~』では、コモンズ投信のレイチェル先生こと横山玲子氏が子どもへ向けてお金の使い方について講演を行いました。

本記事では講演の内容を一部抜粋・編集して紹介します。

お金の4つの使い方

ここから、今日の本題である「お金の4つの使い方」について説明していきます。これがわかるとお金を上手に使うことができるようになると思います。4つの使い方とは、「消費」「貯蓄」「投資」「寄付」です。ひとつずつ、順番にお話ししますね。

消費

1つめの消費は、今自分が必要なことにお金を使うことです。食べ物、住むところ、楽しいことなど、これらがないと今を前向きに生きられません。消費はとても身近で大切な使い方です。

私が先ほどパンを買ったことも、みなさんがスーパーマーケットでお菓子を買ったりコンビニでおにぎりを買ったりすることも、家族で旅行へ行くことも、お家に住むための家賃も、すべてが消費です。つまり、生活するためにお金を使っていくことを消費というんですね。

消費のポイントは賢く使うことです。無駄遣いはあまりよくないですが、切り詰め過ぎてしまうと寂しい気持ちになって、何もできなくなってしまいますから、気持ちよく賢く使うということがポイントです。

貯蓄

2つめの貯蓄は、今は貯めておいて後で使うということです。少しずつ貯めていけば、やがて大きな金額のものを買うことができます。今目の前にあるお金を使わないで貯めておくため、少し我慢が必要です。その代わり、貯まってきて大きな金額のものを買えれば、我慢した分も合わせて、とてもうれしいですね。

貯蓄のポイントは貯めること自体を目的にしないことです。お金が貯まっていくのはとてもおもしろいので、だんだん貯めていくこと自体が楽しくなってきます。貯めて貯めて、最後に「あれ、何に使うんだっけ?」となってしまうと、お金を必要以上に抱え込んでしまい、世の中にお金が回りません。ですから目標を設定して、その目標までお金が貯まったらぜひ使うようにしてください。

投資

3つめの投資は、お金を増やすことです。みなさんは初めて聞いた言葉かもしれません。どうすればお金は増えるでしょうか? お金を「成長するもの」に変えておくと、その成長とともに増やすことができます。

それでは「成長するもの」とは一体なんでしょう。答えのひとつは会社です。いろんな商品やサービスが発売され、ヒットするにつれて会社の規模も、どんどん大きくなっていきます。みなさんに身長や体重のような指標があるのと同じく、会社にも株価という成長の度合いを測る指標があります。その例として、みなさんがよく知っている任天堂という会社の株価を見てみましょう。

任天堂は1983年の7月に株式を公開し、その時点では130円くらいの株価でした。そこから長い年月をかけて上昇し、約40年後の2021年7月には6,000円くらいの株価となっています。会社が成長していく様子がわかりますね。投資とはお金を「成長するもの」に変えることと最初に説明しましたが、会社の成長と、みなさんのお金が増えることはどのように関係しているのでしょうか。

自分のお金を会社の成長に変えておくことを株式投資と言います。自分がいいなと思っている会社、応援したいなと思う会社の株式(株券)をお金で買うんですね。

会社は受け取ったお金を使って工場を作ったり、新たな商品を作ったりして、どんどん会社を大きくしていきます。一般的に会社が大きくなれば株価も上がっていきますから、株式を買ったみなさんは、お金が必要になったときにその株式を売れば、株価が上がった分だけお金を増やすことができるのです。投資とはこのようなお金の使い方です。

先ほどの任天堂の例で見た通り、会社の成長は時間がかかります。ですから投資は時間がかかるもので、すぐにお金を増やすことはできないかもしれません。しかし、会社や人の成長を応援することができるお金の使い方です。

私たちの社会は、たくさんの会社や人が支え合って成り立っています。体によい安心安全な食べものを作る会社もあれば、美味しい食事を出してくれるレストランの会社もあります。荷物を届けてくれる会社もあれば、病気やケガを治す薬を作る会社もあります。クルマを作る会社もあれば、電車を動かす会社もある。世の中のあらゆるところに会社があって、社会をよくするために頑張っている。そういう頑張っている人や会社に自分のお金を預けて応援してもっと頑張ってもらう、それが投資です。

寄付

最後の4つめは寄付です。寄付は自分の持っているお金を相手にゆずって役立ててもらう、というお金の使い方ですね。寄付はうれしい気持ちが長続きするお金の使い方です。

例えば、みなさんお腹が空いていたとしましょう。手元にある100円を使ってコンビニでおにぎりを買って食べました。その瞬間はお腹がいっぱいになって満たされましたが、1時間後にはまたすぐにお腹が空いてしまうかもしれません。満たされたうれしい気持ちはあまり長続きしませんでした。

世の中には困っている人がいます。大きな台風が来て、雨がたくさん降って家が水浸しになってしまった人。川が氾濫して畑が水浸しになり、せっかく作った作物がだめになってしまった人。誰のせいでもないのに、住む家や食べるものがなくて困っている人はたくさんいます。こういうときに、寄付をしてみんなで助け合うのです。あなたが寄付できるのは手元にあるわずかな金額でも、たくさんの人が寄付すれば大きな金額になり、受け取った人は「とても助かったよ」と感謝してくれるでしょう。寄付をした人は、自分のお金で人の役に立ててうれしいと思います。そのうれしい気持ちはきっと長続きしますね。

社会には問題がたくさんあり、その問題が解決されるように寄付は役立てられます。


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