はじめに
ドルコスト平均法を自己目的化してはいけない
時間分散の手段である「ドルコスト平均法」。積立投資のうち、定額積立のことを「ドルコスト平均法」と呼びます。世の中には、これを自己目的化してしまう初心者や、「ドルコスト平均法」信者がいたりします。でも、あくまでもドルコスト平均法は「目的」ではなく、「手段のひとつ」にすぎません。
ドルコスト平均法のデメリット
ドルコスト平均法(定額積立投資)は、運用期間の後半になればなるほど投資元本が増大していく手法です。
そのため、運用期間の後半になればなるほどリスクにさらされている資産も増大します。今、手元に1000万円の現金があったとして、これを毎月10万円ずつドルコスト平均法で投資して100カ月に分散投資して時間分散をするのは、時間分散どころか逆効果であるというわけです。
現実的な解
手元に1000万円がある投資初心者の場合、一括投資直後に暴落する懸念や、心理的に狼狽売りしかねないといった諸々の要素を鑑みると、全額を一括投資するのは控えたほうがよいでしょう。 半分の500万円を一括投資した上で、残りの500万円を毎月ドルコスト平均法で積み立てていく というのが現実的な方法かもしれません。
しかし、 ドルコスト平均法を使えば、時間分散ができていると思い込んでいる人たちは、手元の1000 万円をドルコスト平均法で時間分散しながら投資してしまう わけです。もはやドルコスト平均法そのものが自己目的化してしまっていますね。手元の1000万円をどうするかといった問題において、10年とか20年の長期間かけてゆっくりとドルコスト平均法をする意味はありません。逆効果ですね。
結果的にドルコスト平均法になるのはOK
一方で、手元に1000 万円がない一般のサラリーマンの場合、基本的には、毎月の給料から定期的に積立投資を行うしかありません。毎月数万円を積立投資していく感じですね。これは結果的にドルコスト平均法となります。手元にない現金を投資に回すことはできないので、このケースの積立投資は特に問題ありません。
なお、私だったら生活資金以外の残った現金をすべて株式にぶち込む、という覚悟で運用に取り組むでしょう。
ドルコスト平均法の逆をいく投資
ドルコスト平均法、積立投資は、運用期間の後半になればなるほど投資元本が増大していくのが特徴です(場合によっては、運用期間の後半に大幅な下落に見舞われると資産を減らすリスクがあります)。 ということは、運用期間の前半にレバレッジを掛ければ、運用資金を補えます。結果、ドルコスト平均法の逆をいく投資ができるということになります。
若いうちほど投資元本が少ないので、レバレッジを掛けるインセンティブが生まれます。そして、 「今日が人生で最も若い日」であることを考えると、レバレッジを掛けるべきなのは「今」 であることは自明とも言えますね。
ハイレバレッジではなく、1.2 倍とか1.5 倍の低レバレッジを掛けて寝ているだけで、インデックスの1.2 倍なり1.5 倍なりのリターンを狙えます。