はじめに

「40歳の壁」にぶつかるもう1つの理由

ケインズという有名な経済学者がいます。彼は、論文でこんなことを書いています。

将来、技術の発展によって、人のほしい物はすべてつくられ、人の仕事がなくなる時代が来る。しかし、社会システムによって、人間は長年仕事をするようにしつけられてきている。そのため、凡人ほど「暇な時間をどう使うか」に困るようになる。

これが書かれたのは、なんと1930年。「え!現代じゃないの!?」と思いませんでしたか?ケインズがいうところの「人がすることがなくなる時代」がすでに到来しているように感じます。

さらに、ケインズは、この「人がすることがなくなる時代」を「2030年」としていました。皆さんはどう思いますか?2030年まで待たなくても、もうその予兆を感じませんか?

たとえば、スマホの代表であるiPhoneが発売されたとき、世界中の人がどよめきました。これまでの携帯電話と全然違う!大きな革命でした。

その後、多くのメーカーがスマホ市場に参入して、毎年さまざまなスマホの新機種発表を繰り返しています。もはや「どこを改良したの?」と思っている人も少なくないのではないでしょうか。

日本の白物家電もそうですね。多くのモノやコトも、0を1にする時代は、ほぼ終わりが来ている。こねくり回して、100を101にすることに労力が使われています。

こういった現象を見るたびに、ケインズ先生(敬意を表して先生)に問われている気分になります。

・あなたは、その仕事にやりがいを感じているか?(入社当時はやりがいのある仕事だったとしても、今は惰性でやっていないか?)

・その仕事は、価値を生み出しているか?(社会的に意義のある仕事なのか?わが社の製品で世の中が良くなるのか?子どもに誇りを持って説明できる仕事なのか?)

・未来の自分のためになる仕事なのか?(社内調整スキルは抜群だけど、専門職でもない。会社にいる分には問題ないけど……)

ちなみに、ケインズ先生は、「最終的に人は週15時間労働になる」「1つの仕事をみんなで分け合う時代が来る」とも述べています。

現在、多くの人が「40歳の壁」を感じてる理由は、「人生100年時代」だけではありません。もう1つの理由は、私たちの働き方に限界が来ているから、ともいえます。

あなたは、毎日時間を費やしている仕事に、やりがいや社会的意義を感じていますか?コロナ禍にリモートワークになって、「別に会社に行かなくていいじゃん」「意外とやること少ないじゃん」と気づいた人はいませんか?いるよね?いる。なんとなくやってきたけど、実は手応えがないことにうっすら気づき始めている人、きっといるはずです。

ケインズ先生になったつもりで、自分に問うてみます。

・もし週に15時間しか働かないなら、今やっている仕事で何を残したいか?

・不要だと思っていること、減らしたいことは何か?

・自分のキャリアにつながる仕事ができているか?

・これからも1つの仕事で生きていくのか?

・どんな人生を生きていきたいのか?

立ち止まった「ここ」から、すでにあなたの変化は始まっています。人生の後半戦をどう過ごすのか? ある程度の仕事スキルや武器を手に入れたアラフォーだからこそ、良い変化につなげたいですよね。

個人的には、 人生の後半戦こそ、主体的に幸せを感じることを追求してみる、やりがいを感じる仕事を選んでいくことが大切だと考えています。 そうすれば、ケインズ先生のいう「凡人」ではなくなり、充実した第二の職業人生を歩めるのかもしれません。

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