はじめに

「みんなの正解」ではなく「私の正解」が価値になる時代

モノがあふれる現代では、みんなと同じことをしていても成長はない(コモディティ化)ため、だんだんと「独自性・個性」に重きが置かれるようになってきました。

私たちアラフォー世代は、みんなと同じ中で「一番」になることが価値を持つ教育を受けて、社会に出たら、みんなと同じではないこと、つまり「独自性・個性」が価値になった世代です。インプット(教育)とアウトプット(仕事)のルールと評価がずれている。

「独自性・個性」が価値を持つ時代になじんでいくには、いくつかの「みそぎ」が必要です。

• 合わないことから外れる勇気を持つ(正解を疑う)。
• 違和感を覚えたらスルーしない(引っかかりをつかまえる)。
• 「みんなの正解」以外の尺度を見つける(正解よりおもしろさ)。
• 「私のこだわり」が価値を生む領域を見つける(市場を広げる)。

現在、私たちの子どもは、この「独自性・個性」が問われている世代です。しかも、社会からは、早めにそれを見つけて、生きていけと言われています。

私たちの世代は偏差値の高さ、大企業に就職、出世の早さなど、同じ枠の中で競い、評価され、それは一応ハズレのない道ではありました。

子どもたちの世代は、「みんなの正解」というものがない。しかも、難易度が高いのは、自分の「独自性・個性」に早めに気づいて、学業や仕事、生き方に反映させて人生を歩まなければいけないという点です。 「みんなの正解」ではなく、「私の正解」を見つける必要がある。とはいえ、「俺は海賊王になる!」では困るわけです。

社会的、倫理的視点も踏まえつつ、いろいろなことを学びながら、「何が好きか・嫌いか」「何に興味や問題意識を持つのか」「独自性・個性を生かして、どう主体的に生きるのか」です(AO入試が20年前と比べて9倍に増えているのも、まさにそこに注目した流れですね)。

アラフォーの私たちも、「40歳の壁」をチャンスととらえて、「みんなの正解」ではなく「私の正解」に目を向けていかないといけません。「これまでと同じことの繰り返しでは、行き詰まるかもしれない」と思うなら、これまでとは違うことに着目(自分の個性や独自性を深掘りする、大事にする)することで、開かれる道がきっとあるはず。

• 「私らしいって何?」と同僚や友人に聞いてみる。
• 偏愛(推しでも良い)を感じるモノを書き出す。
• 今まで時間とお金を使ってきたことを棚卸しする(第4章でも触れていますが、おすすめの手法です)。
• これまで与えられた役割(学生、部員、バイト、社員、子ども、親、友人、恋人……)の中で、自分がしっくりきていたものを思い出し、理由を考える。

「私の正解」が価値になることは絶対にある。でも、「みんなの正解」というメガネでは、見えてこない。メガネを外してみる。ここでうまくシフトチェンジできれば、「みんなの正解」ではなく、「私の正解」にフォーカスした仕事=自分業が見えてくるようになります。そうすれば、人生後半戦を、今よりもっと自分らしく生きられるのではないでしょうか。

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