はじめに
報酬とは何か?あなたが得たい報酬の種類は?
会社員の方は「報酬」と聞くと「金銭」をイメージしやすいと思いますが、実はほかにもいろいろな種類の「報酬」があります。皆さんは仕事から「どんな報酬を得ているのか?」を意識したことがありますか?
• 精神的報酬(楽しさ・喜びを感じる)
• 技能的報酬(能力・スキル・経験が増える)
• 金銭的報酬(給与やボーナス、福利厚生など)
• 信頼的報酬(社会的信用・人物評価が上がる)
• 貢献的報酬(メンバーや仲間の育成に関わる)
私は2020年に会社員を卒業するまで16年ほど会社員をしていたので、典型的な労働者目線で報酬を見ていました。「どんな勉強ができて、いくらもらえるの?」という点、つまり技能的報酬や、金銭的報酬を主に意識していました。
相手(会社)が支払ってくれていた精神的報酬(楽しい、快適な職場のための維持コスト)、信頼的報酬(会社員としての信用)、貢献的報酬(マネージャーとしての経験などを得る機会)を見ていなかったのです。
しかし、ここ数年、人から頼まれ仕事をしたり、逆に人に仕事を頼んだりすることで、相手から「どんな報酬」をもらっているか、こちらは「どんな報酬」を渡せているかを考えるようになりました。
金銭的報酬以外の報酬を得ることを考える
人によって「得たい報酬」は異なります。(図9)
• いくらもらえるのか?(金銭的報酬)……雇われ人(会社員など)や学生、副業初心者などが見ているゾーン
• いくら+何がもらえるのか?(金銭的、技能的、信頼的報酬)……独立したてや個人事業主、専門職が見ているゾーン
• お金以外に得られるものは何か?(精神的、貢献的報酬)……金銭的に困っていない人、子どもや本業持ち、経営者などが見ているゾーン
こうやって考えていくと、仕事の依頼を受けたときに「『金銭的報酬』は少ないけど『信頼的報酬』が多いから、この仕事は受けよう!」と判断することができます。
こちらから仕事を頼むときにも、自分は「金銭的報酬」を渡そうと思っていたけれど、相手が求めているのは「技術的報酬」だと気がつくと、金額や仕事内容の交渉ができるようになったりします。
また、私の印象では「お金」がなくても、いろいろな人に助けられていて、行動が早い人は、この報酬設計がうまいです。たとえば、小さなコミュニティをつくりたいけれど、予算がないとします。そんなときに、「お金は多く渡せないけど、コミュニティ運営が学べるので、一緒に手伝ってくれませんか?」と言えば、賛同する人が集まってくれます。お金が貯まるまで待つより、スピーディーに取りかかれますよね。
「自分がどの報酬を求めているか、よくわからない!」という人は、憧れの仕事をしている人や、こうなりたいなと思っている人を観察してみてください。
その人の仕事を見て、「どんな種類の報酬を得るために、この仕事を受けているんだろう」と観察すると、いろいろ見えてきます。
特に「金銭的報酬」以外で仕事を受けている人からは、その人が大事にしたいものが見えてきます(例:広告系は受けないが、社会的信用の高い人との仕事は受ける著名人など。信頼的報酬で仕事を選んでいる可能性大)。
また、 本業があるうちは「金銭的報酬」が補われているので、「金銭的報酬」以外が得られる仕事やチャレンジをしてみると良いと思います。
私のVoicyは、会社員時代は「精神的報酬(やっていて楽しい)」「技術的報酬(話がうまくなる)」「信頼的報酬(信頼される)」「貢献的報酬(共働き世代のお役に立つ)」のために行っていました。
これらの報酬を得ていたから継続できたし、のちの「金銭的報酬」や「ヨガ」にもつながっています。
皆さんはどんな「報酬」を会社や副業からもらっていますか? そして、自分にとって必要な「報酬」はなんですか? 「報酬」の視点から考えると、あなたの自分業のイメージが、より具体的に見えてくるのではないでしょうか。