はじめに
ドラフト制度を利用し、自分のキャリアを拡張する
本格的に次のキャリアを目指したいけど、転職はハードルが高いと思っている人も多いでしょう。そんな人には社内公募がおすすめです。
働き方改革が日本企業を席巻しています。以前はごく当たり前だった転勤や、単身赴任さえなくした会社があります。人事異動も強制力が薄まりました。近年は、社内で人材を公募する制度を導入している企業が増えています。もし、このような人材ドラフト制度があれば、利用しない手はありません。企業によってその内容は異なると思いますので、制度の内容を熟知した上で、次の流れで越境することをおすすめします。
・人材を求めている(求めていそうな)部門や組織を探す
・同期、同世代のネットワークを最大活用し、当該部門の様子を確認する
・自分の経歴・経験や価値観等をふりかえる(Chapter1参照)
・人材を求めている部門の責任者に自分を売り込み、企業内越境を実現する
この企業内越境は、社内転職といってもいいかもしれません。 社内とはいえ、仕事の中身が大きく変わる場合は、ほぼ新人状態になることもあるでしょう。でもそれこそがポイントです。よく分からないことだらけが学習の基盤です。
一方、どこまでいっても同じ会社なので、共通の作法は見出せるはずです。そのときはほっとするでしょう。このドラフト制度を活用した企業内越境、チャレンジする価値はあります。
僕は2000年代の初頭、コンサルティング部門を立ち上げるという話を聞きつけ、社内人材公募制度にエントリーしました。その責任者は何名かのコンサルタントを社内で手当てしていましたが、チームに営業はいませんでした。今でも自分は営業だと自認しているように、営業には実績と自信がありました。経歴をまとめて応募し、コンサルティング部門への企業内越境に成功しました。HCソリューショングループといいます。そこでの11年間の仕事が、今の自分を形づくっています。
編注:初出時、記載内容に誤りがありました。