はじめに

今後のトレンドは移動平均線で予測する

■トレンドは移動平均線の並び方で判断する
ある期間の株価の終値で平均値を計算し、それを結んだのが「移動平均線」です。基本的な移動平均線には5 日線(短期)、25 日線(中期)、75 日線(長期)があります。
移動平均線は上昇トレンドと下落トレンドでは並び方が異なります。その並び方は─

●上昇トレンドでは、上から「5 日線> 25 日線> 75 日線」と並び、傾斜は上向き
●下落トレンドでは、上から「75 日線> 25 日線> 5 日線」と並び、傾斜は下向き

横ばいはどうかというと、移動平均線(25 日線に5日線)がうねうねと絡み合い、平坦に近く、上か下か方向感がつかみにくい状態が多く見られます。

この横ばいこそが特に注目したい動きです。

「横ばい、最強!」「横ばいを制する者は株を制する!」 といっても過言ではありません。

それは横ばいが3 カ月ほど続くと、その後、株価は値幅の上限を突破して上か、あるいは下限を割り下に抜けるかして、トレンドが転換することが多いからです。

横ばいから上昇に転じるときには5 日線が上にいく必要があり、25日線を下から上に抜いたら、上昇へトレンド転換と予測できます。

また、横ばいから下落に転じるには5 日線が下にいく必要があり、25日線を上から下に抜いたら、下落へトレンド転換と予測できます。

つまり、横ばいの銘柄を見つけたら、どちらに動くか観察して、5日線が25 日線を抜けるまで待ち、トレンドを確認してエントリーすれば勝てる可能性が高いのです。

■初心者は横ばいを抜けた局面で勝負!

また、横ばいは株価が一定の値幅を上下する局面です。チャート中で、一定の値幅で株価が上下するところを見つけたら、 高値と安値にライン を引いてみます。僕は基本的に 「終値」で引きます。

この横ばいトレンドでは、上限の価格で売って下限で手じまい、下限の価格で買って上限で手じまいすれば利益を上げることもできます……と、言葉で説明すると簡単なようですが、実際にトレードしてみると、そううまくはいかないことも多いのが現実です。

上限と思って空売りを仕掛けたら、上に抜けてしまうことも珍しくありません。このような局面では、必ず3つ以上のワザを組み合わせ、エントリーし、利益確定することが大切です。

トレードに慣れていない初心者のうちは、横ばいでは手を出さず、上下どちらかに抜けるのを確認後、売買したほうが安全だといえます。

「横ばい」の見つけ方

前項では、 「6カ月上昇したら3カ月下落」「3カ月下落したら6カ月上昇」「横ばいは3カ月」 というトレンド周期の目安をお伝えしました。

移動平均線の並びと向きで現在のトレンドを判断しつつ、さらに周期も数えることで、トレンドの始まりや継続、終わりの時期も考え合わせていきましょう。

「高値と安値」は儲かる!トレードのキーポイント

■投資家の行動が生む、株価の「山頂」と「谷底」

どんなチャートを見ても、山があり、谷があります。山頂が高値、谷底が安値です。そして、 「山頂=高値」と「谷底=安値」は、どちらも投資家の心理と行動から生まれます。

高値と安値は、トレードをする上で重大な目安になります。少し丁寧に説明しましょう。

上昇が続くと投資家はそろそろ天井と考え、利益確定の手じまいを始めます。そんな利益確定の売りが増えてくると、空売りで儲けようとする投資家が売りを仕掛けてきます。しかし、なかにはまだ上がると考える投資家もいて買いも入り、売り買いが交錯。徐々に売りが買いを上回り、株価は下落していきます。

売り勢力が買い勢力を圧倒した結果、できたのが「山頂の高値」です。その反対が「谷底の安値」です。

下落が続くと、そろそろ底値と考える投資家の買いや高値で空売りをしていた投資家の買い戻しが入る一方、まだ下がると考える投資家の売りも入ります。売り買いが交錯し、買いが売りに勝ると株価は安値をつけて上昇していくのです。安値は買い勢力が売り勢力を圧倒した結果、形成された谷底なのです。

■前の高値は抵抗帯、前の安値は支持帯に

下落から上昇に転じると前の山頂付近で買って、損を抱えていた投資家は株価が買値の近くに戻ってくると「やれやれ」といった感じで含み損を回収にかかります。すると損を回収するための売りに加え、天井と判断した投資家の新たな空売りが入り、売り勢力が優勢になっていきます。その結果、株価は前の高値を超えられず、下落することが多いのです。

そこで 上昇トレンドでは、前の高値は上昇の障壁となる抵抗帯(レジスタンスライン)になりやすい といえます。

株価が下落して前の谷底に近づくと、今度は前の谷底付近で空売りをして損を抱えていた投資家の買い戻しが入ります。そこを「底値」と予測した投資家の新たな買いも加わり、買い勢力が売り勢力を圧倒して株価は上昇に転じることが多いのです。

ですから 下落トレンドでは、前の安値は下落を止め、株価を支える支持帯(サポートライン)になりやすい といえます。

次項で説明する「節目」は高値や安値になりやすく、高値も安値も、節目と重なると、より強力な抵抗帯、支持帯になる場面が多く見られます。

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