はじめに

■高値と安値をブレイクしてトレンド継続も

しかし、前の高値と前の安値が常に抵抗帯、支持帯になるとは限りません。株価が突破していく、ブレイクポイントにもなり得ます。

高値であっても、「買いたい!」と思う投資家が多ければ、上昇に弾みがついて前の高値をブレイク、続伸もあります。安値でも売りたい投資家が多ければ、前の安値をブレイクして続落もあります。

つまり、前の高値を次々にブレイクして高値を切り上げていけば上昇トレンドは継続、反対に前の安値を次々にブレイクして切り下げていけば下落トレンドの継続と考えられます。

売りと買いの勢力が拮抗している横ばいでは、高値あるいは安値を抜けて横ばいから上昇トレンド、あるいは下落トレンドに転換する場合がほとんどです。

3つのトレンドの「高値と安値」

■「強い高値と弱い高値」「強い安値と弱い安値」

高値、安値の見つけ方ですが、日足だけでなく、月足や週足も確認しましょう。

日足で安値だと判断しても、長い期間のチャートで確認すると、もっと下の価格が安値というケースもあるからです。

高値も同じで、日足では高値でも週足や月足ではさらに高い価格まで上昇していることもあるのです。

日足の高値・安値が月足や週足のそれと重なったとき、〝強い″ といっていいでしょう。高値なら強力な抵抗帯、安値なら強力な支持帯になると推測できるからです。

そのようなときには高値で空売り、安値で買いエントリーすれば、かなりの高い確率で利益を上げることができます。

■月足→週足→日足で安値を見つける

チャート(1)エムスリーの月足

チャート(1)はエムスリー (2413)の月足です。2021年以降、ずっと下落が続いているので、安値をつけたところで買いエントリーしようと考え、観察を続けていました。しかし、月足チャートを見ると安値といえるところが見当たりません。

ところが、次ページの チャート(2) の週足を見ると、 4000円という節目が安値 になっています。

次に、 チャート(3) の日足を確認すると、株価は下落して4000円に近づいています。そして2022年2月2日に決算日を迎え、内容が悪く翌3日には下落。安値4010円、終値4092円をつけました。

そこで買いエントリーです。

買った翌日、5%以上、上がったところで半分を利益確定し(4日の終値4344円)、さらにローソク足が中期移動平均線に当たったところで(25日の終値4260円)、すべてを決済しました。

■高値・安値を利用すればもっと稼げる

チャート(2)エムスリーの週足

チャート(3)エムスリーの日足

高値や安値は、時には抵抗帯・支持帯になり、時にはブレイクポイント になると説明しました。この動きをトレードに活用しましょう。
保有銘柄が前の高値に近づいたら、山頂と考え、利益確定。観察銘柄が前の高値に近づいたら空売りの準備をします。そして、前の安値に近づいたら、谷底と考え、買い戻して手じまい。観察銘柄が前の安値に近づいたら、買う準備をします。
しかし、前の高値、前の安値に近づいたからといって、慌ててトレードしないでください。 高値が抵抗帯になると予測して空売りしたら、あっさりブレイクして続伸してしまうことも あり得ます。また底値圏と予測して買ったら、底が抜けて続落することも……。高値・安値に近づいたら、少し待ってブレイクするかしないかを確認後、売買を判断しましょう。そうすれば利益につながる高精度のトレードが可能です。

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