はじめに
いったい何が?
ここまで急激に業績が伸びている理由は、いったいなんでしょう?
まずは、円谷フィールズホールディングスが何をしている会社か知る必要があります。といっても、社名からピンと来ている人は多いはず。同社は、もともとは、「エヴァンゲリオン」など遊技機(パチンコ、パチスロ)の企画・販売を主軸とするフィールズ株式会社が、2010年4月に円谷プロダクションを子会社化し、現在の円谷フィールズホールディングスとなっています。
円谷プロといえば、日本全国民が人生のどこかのタイミングで、ほぼ100%ご存知であろうウルトラマンの生みの親。そして、まさに今! 遊戯機とウルトラマン、この2つの領域に、猛烈な追い風が吹いています。
「2023年3月期 通期業績予想修正の理由」を見てみましょう。
画像:円谷フィールズホールディングス「業績予想の修正に関するお知らせ」より引用
「コンテンツ&デジタル事業セグメント」は、ウルトラマン人気が中国まで拡大。日本国内では「シン・ウルトラマン」によるファン層の広がりと、テレビシリーズの映画化による関連グッズの売上が期待できるとあります。
決算説明書をみると、①中国からのライセンス収入が前年同期比で+313.0%とあり、人気の急拡大ぶりがよく分かります。
画像:円谷フィールズホールディングス「2023年3月期 第3四半期決算説明資料」より引用
さらには、②中国におけるウルトラマンのポジションは、なんと玩具分野ではディズニーを抜いてシェア1位! また今後の展開として「③2024年以降に予定されている新規作品郡等の紹介をBtoB向けに世界に向けて情報発信」とあります。
画像:円谷フィールズホールディングス「2023年3月期 第3四半期決算説明資料」より引用
おなじく決算説明書に、ウルトラマンブランドの今後の海外展開予定が記載されています。世界各国で、「シュワッチ!」が合言葉になる日が来るかもしれません。
画像:円谷フィールズホールディングス「2023年3月期 第3四半期決算説明資料」より引用
「2023年3月期 通期業績予想修正の理由」に戻ります。
もう一方の「PS事業セグメント」は、「通期でパチンコ7機種、パチスロ6機種の販売を予定しており」とあります。じつはパチンコ業界には、スマスロ(スマートパチスロ)導入による大変革が起こっています。
スマスロは、2022年11月に登場した次世代パチスロ機のことで、メダルレスで遊戯できるのが最大の特長。店舗側にとってはメダル管理がいらなくなるというメリットがあり、顧客側には出玉性能と呼ばれる、大当たり時の獲得上限枚数が向上するうれしい設計がされているそうで、コロナ禍で足が遠のいていた顧客もふたたびパチンコ店に戻ってきているようです。
主軸事業が2つともアクセル全開で快走となれば、この絶好調決算も納得です。気になる株価は、2022年1月につけた安値461円から、ぐんぐん上昇し、直近2023年2月20日(月)には4,140円をつけました。ざっくり10倍! なぜもっと早くこの銘柄に気づけなかったか、投資家としては歯軋りするしかありません。