はじめに

いつ、この変化に気づけたか?

取りこぼしてしまった利益を嘆いても仕方ありません。次、同じような銘柄に出会ったとき、がっちり上昇初動でキャッチできるよう、どこで円谷フィールズホールディングスに変化の兆しがあったのか、過去決算を検証してみたいと思います。

株価の推移をみると、2022年3月期の第3四半期決算以降、上昇しはじめているのが分かります。

TradingViewより

当時の決算短信を確認すると①売上高72,531(百万円)、②前年同期比+148.5%、③営業利益2,366(百万円)と、なんだかよいことは分かりますが、いまいちピンときません。

画像:円谷フィールズホールディングス「2022年3月期 第3四半期決算短信」より引用

ひとつ前の第2四半期決算の決算短信も見てみましょう。

画像:円谷フィールズホールディングス「2022年3月期 第2四半期決算短信」より引用

営業利益は358(百万円)とあります。第3四半期は2,366(百万円)でしたから、この3ヵ月で2,008(百万円)も稼いでいます。これはまさにサプライズ! 株式市場は何よりもサプライズが好物ですから、絶好の株価上昇フックです。

こうしてあとから検証すると納得の上昇スタートポイントですが、この時点ではなかなか気づけないものですね。

月足ぴょこは、上昇スタートのサイン

じつは、もっと簡単に大化け株のスタートを発見する方法があります。株価チャートを月足で表示し、長くほとんど動いていなかったところから「ぴょこ」っとロウソク足が立ったところが、株価上昇のスタートサインです。もちろん100%上昇するとは限りませんが、わたしの経験上、かなりの確率で、“月足ぴょこ”が出たあとは、上昇トレンドが形成されます。

TradingViewより

円谷フィールズの月足チャートでも2022年2月のロウソク足が「ぴょこ」っとなって、そこから上昇がスタートしています。「月足ぴょこ」を確認した翌月3月に株を買っても十分利益は取れますよね。

ファン垂涎の記念優待

1年前から業績好調で、株価も順調に上昇していましたが、2月13日(月)の2023年3月期第3四半期決算発表で、いちだんと角度が急になりました。おそらく、記念優待の発表が大きく寄与していると思われます。

株主優待の実施に関するお知らせ(円谷フィールズホールディングス体制発足記念)」によると、優待内容は1969年にテレビ放送された「ウルトラマン」、2019年に配信されたアニメ「ULTRAMAN」、2022年に劇場公開された「シン・ウルトラマン」、それぞれをモチーフ化した額装ピンズセットです。これはもうファンならずとも欲しい! 2023年3月31日(金)現在、株主名簿に記載されている100株以上保有株主に進呈されるとのこと。

勢いに乗っている会社がやることは粋ですね。ますます世界中に円谷ファンが広がっていきそうです。

※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

※編注:初出時、他社IPを記載する誤りがありました。

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