はじめに
ケース(3)積立投資
積立投資は、ドルコスト平均法(定期定額投資法)により、株式の株価や、投資信託の基準価額などの値段の上下を気にせずに、コツコツ株数や口数を貯めていく投資法です。ショック時は、株数や口数を多く買えるチャンスですので、目先の価格変動をあまり気にする必要はありません。
また、一時的に積立額を増やす方法や、値上がりしたもの・保有比率が上昇したものを売却し、値下がりしたもの・保有比率が下落したものを買増し(リバランス)するチャンスでもあります。積立額を増やす場合は、何ヵ月分の積立資金を前倒しで投入するか、どれくらい売られすぎているのかなどを基準に判断していくとよいでしょう。
リバランスは「リスクの再調整」とも呼ばれ、積立投資においては欠かせないメンテナンス方法のひとつになります。投資にまわす余裕資金のうち、銀行預金や国債などの安全資産とのバランスを考えながら実行していきましょう。大きなチャンスと考え、一気にリバランスしたくなるかもしれませんが、前のめりになりすぎないように徐々に実行していくのも一手です。
資産形成に活かせること
どのような投資法を取り入れているかによって差はありますが、株価などが大きく上下した場合は、チャンスでもあると同時に、対応方法を間違えばピンチにもなり得ます。
相場が大きく変動する局面にでくわすと、ビッグチャンスがきたと思って、必要以上にリスクを取りたくなるのが人間の性かもしれません。しかし、そこはより慎重に、いったん冷静に判断できるように、レバレッジをかけすぎない、リスクをとりすぎない、自信がなければ様子を見る、というのも悪くはありません。
筆者も何度も失敗してきました。一時的に儲けそこなっても、それはただの機会損失ですみますが、投機的な売買をしてしまうと、大損失につながりやすくなります。「落ちるナイフはつかむな」という相場格言もあります。株価が底打ちしたのを確認する前の買いは、うまくいけば利益が大きくなるチャンスでもありますが、リスクの大きい取引です。
一気に儲けたいという意識が強すぎると、えてして空回りしてうまくいかないことも多いです。「休むも相場」で、今後大きなチャンスがやってきたとしても、いつも通り淡々と、取引や積立てをし続けることを心がけていきましょう。