はじめに

生活費は1カ月平均18万9000円

さて、貯蓄をするには元手が必要です。限られた収入から生活費をやりくりして貯蓄分を捻出するには、どのような支出バランスが適切なのか考えてみましょう。

東京などの大都市圏では家賃がかさみます。東京圏の賃貸マンションの家賃相場は上昇傾向にあり、2022年9月までのデータによると、ワンルームの家賃平均は7万4363円(下限6万5131円~上限8万3594円)、1LK~2DKの家賃平均は10万9931円(下限9万5017円~上限12万4846円)となっています(公益財団法人 不動産流通推進センター「2022不動産統計集」)。

月の手取りが24万円で、ワンルームマンションの家賃が7万2000円であれば、なんとか3分の1以内におさまり、大きな無理のない支出の範囲です。他の支出について、30代女性の平均的なバランスはどのようになっているでしょうか。

平均額と比べて、実際の家計支出はどのようになっているでしょうか。食にこだわりのある人なら、食費がもっとかかっているかもしれませんね。また、女性であればヘアサロンやエステなど、美容にかけるお金が加わる人もいるでしょう。趣味の費用を別に考えなくてはならない人もいるのではないでしょうか。あるいは、何に使っているかよくわからないけれど「お給料日前はいつもお財布がピンチ」という人は、まずは支出の明細を把握しましょう。

平均的な支出にすると、1カ月の手取り収入から家計費の支出が16万3000円なので、毎月7万7000円の黒字。単純に預貯金にしておいても1年で92万4000円、3年で277万円もの資金になります。

貯蓄分は毎月の家計支出にはおさまらないような、大きな支出に備えるものです。たとえば、冷蔵庫やパソコンなどの電気製品を買ったり、旅行をしたり、スキルアップのため勉強をしたり。株や投資信託で資産運用を始めるものいいでしょう。

自分では決して不満ではない収入や貯蓄、生活費であっても、平均と比べることで見えてくることがあります。こんなものだと思い込んでいたら実は多くの人が副収入を得ていたり、貯蓄を増やしていたり、ということもあります。しかし、30代なら多少の出遅れは挽回可能。まずはマネー知識を増やしていきましょう。

逆に、自分が周囲よりも高収入で貯蓄・投資スキルがあっても油断は禁物です。長い人生は何があるかわかりません。さらにスキルアップして高みを目指していただきたいと思います。

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