はじめに

銘柄選びの常識をまるっと裏返す力技

オリエンタルランドのすごいところは、株式投資をする上で銘柄選びの基本とされる条件のすべて逆となっているのにもかかわらず、上場以来ずっと右肩上がりを続けていることです。

配当利回り0.16%、優待は200万円以上払って株券1枚買って、9,000円程度のワンデーパスポートが1枚。株価の割安さを示すPERは106倍とべらぼうに高く、資産面から見た割安さを示すPBRも8.8倍。セオリー通りで判断すれば、ぜったい買っちゃだめな株です。

そんな悪条件でも株価が上がり続けるのは、いつまでも覚めない夢を見させてくれるからだと思います。

オリエンタルランドに鬼門はないのか?

同社は1月30日(月)に、人件費の引き上げを発表しました。人的資本への投資として、準社員(パート・アルバイト)を含む従業員に対し、基準賃金および時給を約7%引き上げるとのこと。

ご存じの通り、ディズニーリゾートで働くキャストのホスピタリティーは素晴らしいものがあります。ここで働きたいと思う人も多くいるとは思われますが、それでもやはり人手不足は鬼門と思われます。その対策としての賃金引き上げでしょう。

また、商品や飲食販売は物価高の影響をもろに受けます。さらに、来園者が増えると防犯対策の強化も必要になるでしょうし、お店の回転率も悪くなることが予想されます。最近、飲食店などで来店者による迷惑行為の動画がSNS上にアップされ、いわゆる炎上する騒ぎがマスコミなどで取り上げられますが、そういった騒動に巻き込まれるリスクも考えられます。

なお、執筆時点の3月15日(水)現在、オリエンタルランドの株価は2万円を超えていますが、2023年4月1日(土)より現在の1株が5株に分割されますので、4,000円程度になります。最低購入価格が40万円ほどなので、今まで以上に個人投資家には買いやすくなります。2023年4月からは、日経平均銘柄にも採用されますが、同社が今後さらに上昇していくのか……いちファンとして見守ろうと思います。

※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

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