はじめに
どこを見れば税率がわかる?
では、会社員の共働き夫婦の場合、どこを見ればこの判定が正しくできるのでしょうか? それは、年末調整のあとで会社からもらえる「源泉徴収票」です。
源泉徴収票は、1月から12月の1年間の収入をもとに所得税の計算をした計算結果が記載されています。毎年の給与がおおよそ同額だとすれば、前年分の源泉徴収票を見ることでおおよそ今年の税額計算についても予測することができます。
画像:国税庁「給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」より引用
源泉徴収票の上部中央にある「給与所得控除後の金額」が「所得」の金額です。その右隣にある「所得控除の額の合計額」が「控除」の金額です。つまり、「所得―控除」の差し引き後の残額が税率表のどの区分になるかで自分の税率がどこなのかを把握して、夫婦のうち税率が高い方に扶養控除をつけておけばOKです。
扶養控除だけじゃない!
また、扶養控除以外にも、医療費控除は同一生計の家族全員分の医療費を集計して控除を受けることができますので、扶養控除と同様にどちらにつけるのが得なのかを検討してつけていただくと、節税効果が期待できます。もしお二人が同じぐらいの収入で10%と20%のちょうど境目にいらっしゃるなら、扶養控除と医療費控除を両方1方につけるのではなく、あえて2人にバラしてつけることで節税効果が大きくなるということもあり得ます。
このように正しい知識があれば、控除を自分たちでコントロールして、税額を減らすことが可能になります。上記の例のような場合、38,000円もの節税に成功し、家族で近場に旅行でもして美味しいものが食べられるのではないでしょうか? なんて……喜ばしい!
源泉徴収票を眺めてみて、節税や納税と改めて向き合っていただければ嬉しいです。