はじめに

不動産投資が節税になる?

「不動産投資をすると、節税になると聞いたので始めようと思います」というご質問をいただくことがありましたが、これも「必ず節税になります」とは言い難いです。不動産投資を始める前に、まずは不動産投資をすると税金が安くなるメカニズムを理解しましょう。

(1)不動産を購入する
(2)その不動産を貸して不動産収入を得る
(3)買った不動産の建物分を一定の年数で割った金額などを経費として収入から差し引く
(4)収入以上に(3)の経費が多ければ儲けがマイナスになり「赤字」となる
(5)税金の計算をするときに給与の収入分から不動産の赤字分を差し引く
(6)結果、税金が安くなる

注意すべき点は節税になるケースだと、税金が安くなる手前で随分と損している可能性があるということです。

私が確定申告のお手伝いをしているみなさんは、不動産所得で赤字になっている方はほとんどいません。一般的に不動産所得は経費をあげにくいので、プラスになることがほとんどです。マイナスになるケースは、入居者がいなくて空き家の期間が多かったり、大規模な修繕をして経費が多く出たりというケース。そもそも、赤字になっているということは、不動産投資の収支としては損して失敗していることになります。

売却した時の損得もあるので、一概にはどちらとは言えませんが、土地の分は経費にならないということを考えると、赤字で申告するなんて、トータルでえらい損しているのではないでしょうか? なんて……嘆かわしい!

確かに不動産投資は、現金や預金を不動産という形に変えて持つことで、相続税などの節税効果があるだけでなく、家賃収入を得ることで給与収入以外の安定収入を得るというメリットもあります。一方、毎年の収支だけではなく、不動産の取得時には購入のための仲介手数料や登記費用、登録免許税に不動産所得税など多くの経費が出て行きます。

節税ぐらいでは回収できないほどの費用を支出することも少なくありません。甘い話にすぐに飛び付かずに、それがどんなメカニズムで、何がいくらぐらいお得なのか、自分で正しく理解してから始めることをお勧めします。


ウェブサイトにさまざまな情報があふれる今、本当に有益な情報なのか、甘い罠なのかを判断するのが難しくなっています。人が言った噂を聞きかじって、いい加減な知識でマネしてみたり、広告の文字に踊らされて余計なお金を支出してしまっては、増やすつもりがかえって貯蓄を減らすことになり、なんて……嘆かわしい!

自分のお金を守れるのは自分の中にある正しい知識です。知識が不十分なうちは思い切った行動は控えて、しっかり学んだ上で新しいアクションを起こせるようになっていただきたいです。

※次回から本連載は隔週となり、次の掲載予定日は4月25日(火)となります。

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