はじめに
連休前のポジションについて
まだ取引を始めていない方は、ゴールデンウィークのような連休前に始める事はお勧めしません。また既に投資をされている方も、長い休みの前には投資家としてポジションを手仕舞う方がいいと考えられます。
その理由は大きく3つあります。
理由1:流動性の低下
長期休暇中は市場の参加者が減少し、取引量が低下します。その結果、流動性が低くなり、FXは売買のスプレッドが広がる可能性があります。また普段よりも値幅が大きく動くこともあるので、思いもかけないロスカットに引っかかることもあります。また、海外投資家が日本の投資家のロスカットラインを狙ってくる、ということもあるのです。ポジションを調整しておくことで、流動性が低下した状況下での取引リスクを回避できます。
理由2:ニュースやイベントの影響
休暇中に重要な経済指標や政治イベントが発生すると、市場が休みの間に大きく変動する可能性があります。ポジションを整理しておくことで、このようなイベントによるリスクを軽減できます。
例えば今年、2023年のゴールデンウィーク期間中もFOMCなど重要なイベントがあります。その結果を読む事はできませんし、それらの結果を受けて世界の市場が大きく動いているのに、日本株は市場が開いていないため対処することすら叶わない、という事態になる可能性もあります。大きく上がったり下がったりする可能性がある中で投資をするのは、ギャンブル的な投資になりかねず、そうすると安定的な利益からは遠ざかってしまいますので、避けた方がいいでしょう。
理由3:心理的安定
ポジションを持ったままだと、休暇中も市場の動向が気になることがあります。長期休暇中は市場から離れることが多いので、ポジションを整理しておくことで、市場動向が気になって休暇が楽しめないといった状態から解放され、心理的な安定を得られると考えられます。休むも相場、ということでしょうか。
ただし、ポジション調整のタイミングや方法は、投資スタイルや目標、リスク許容度によって異なります。例えば積み立て投資で超長期で考えている方は、長期休暇は関係なくそのまま保有をし続けるというのがルールにかなった投資法です。取引コストや税務上の影響も考慮して、自分に合った最適なポジション調整を行う必要があります。
資産を把握し、速やかな行動を
ポジション調整ってどうやってするのか、そもそも自分の資産をきちんと把握できていない、という方もいるでしょう。資産形成をしていく上では、銀行や証券などの口座にある保有資産を常に把握することが大切です。表計算ソフトなどで自分で入力・管理する方法もありますし、複数の口座を連携して、まとめて見える化してくれるサービスもあります。
例えば自分の保有する資産を、連休前に手仕舞うべき短期投資のポジションなのか、連休などを気にしなくていい長期投資で組み込んでいる銘柄なのかを分類しておけば、この銘柄は連休前に一旦手じまっておこうなど、とるべき行動を速やかに判断できます。「銀行も証券も複数口座を持っている」という方は、前述のような見える化してくれるサービスを使えば、最初の連携の設定を済ませれば、あとは自動で管理してくれるので、あとは定期的に見ることを習慣づければOKです。自分で管理していくのが面倒に感じる方は、ぜひご自身にあったサービスを探してみてください。