はじめに

ポートフォリオのトリミング、リバランスを実行する

カトウさんは、毎月国内外の株や債券に投資をする投資信託4本を選び、それぞれ25%ずつの配分で買い付けを行っています。定期的に残高をチェックしていたところ、全体に占める日本株の割合が30%に膨らんでいました。一方日本債券が20%と当初の設定からずいぶんとバランスが崩れていることが分かりました。

そこで、ポートフォリオのトリミングであるリバランスを実行することにしました。同時に、これまで選んでいた日本株の投資信託Dより、日本株の投資信託Eの方が同じインデックスでありながら信託報酬が安く、かつパフォーマンスも良かったので入れ替えも実行したいと考えています。

カトウさんはまず、「配分変更」にて次月は投資信託Dの購入を止めて、投資信託Eを購入するという指示を行います。現在の商品配分欄には、日本債券に投資をする投資信託が25%、日本の株式に投資する投資信託Dが25%、外国の債券に投資をする投資信託が25%、外国の株式に投資をする投資信託が25%と表示がされており、その下に変更指示をするための運用商品一覧があります。

そこでカトウさんは、日本債券に投資をする投資信託を25%、日本の株式に投資する投資信託Eを25%、外国の債券に投資をする投資信託を25%、外国の株式に投資をする投資信託を25%と入力をします。これにより、次月から投資信託Dの買い付けは行われず、投資信託Eの買い付けが実行されます。なお、合計4本の投資信託それぞれ25%ずつという配分は変わりません。

次にカトウさんが行うのは「スイッチング」です。30%に膨らんでしまった日本株を5%分売却して、その資金で20%にしぼんでしまった日本債券を5%分購入します。この際の注意点としては、投資信託を売却する際には一定の日数が必要だという点と、商品によっては売却時に「信託財産留保額」という手数料が発生するということです。

では、実際の手順をみていきましょう。「スイッチング(あるいは預け替え)」のタブをクリックすると、現在保有している運用商品一覧とその残高が表示されます。その一覧から日本の株式に投資をする投資信託Dをチェックします。

カトウさんは、先に投資信託Dの買い付けを止めて、投資信託Eの買い付けを行う「配分変更」の手続きを行いましたが、この時点で投資信託Eはまだ残高がありませんから、売却をするのは投資信託Dとなります。そこで「一部売却」にチェックを入れます。

一部売却を指示すると、何口売却したいのかを聞かれますので、その問いに答える形で指示を行います。計算方法はヘルプ機能で確認ができますので参照しましょう。カトウさんの場合、資産全体の5%に相当する口数を計算し、投資信託Dの売却を行います。

次に、売却した資金で何を買いたいのかが問われます。今回は日本の債券に投資をする投資信託を100%と指示をします。ここでいう100%とは、売却資金全額で購入するという意味です。投資信託Dの売却が終了したら、その金額で日本の債券が買われますが、この手続きが完了するまでには一定の日数がかかります。

カトウさんが注意すべき点としては、スイッチングの指示はいつでもできるけれど、配分変更の指示には締め切りがあるという点です。スケジュールを間違うと、投資信託Dを売却したのにまた次月、同じ商品を購入してしまったということになってしまいます。

なお、投資信託Dの残高全部を投資信託Eに入れ替えたいという場合は、スイッチングで投資信託Dを全部売却し、その資金100%で投資信託Eを買い付けするという指示を行います。

ポートフォリオのトリミングは、それほど頻繁に行う必要はありませんが、定期的にご自身の資産状況を確認しながら、必要に応じて行っていただくのが良いと考えます。

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