はじめに
60代独身男性の平均貯蓄額は、1791万2000円
2019年全国家計構造調査によると、60代独身男性は貯蓄もしっかりあります。平均値を見てみると、60代独身男性の金融資産残高は1791万2000円。コツコツ貯めた預貯金や生命保険、株式・債券・投資信託に加え、退職金が大きく影響しているようです。
金融資産残高及び金融負債残高(単身世帯)
そして、金融負債は88万円と、それまでの世代の金額とはひとケタ少なくなっています。住宅ローンなど高額の借入れがあっても、退職までに計画的に返済し、老後に借金を持ち越さない人が多いのかもしれません。
しかし、平均値は「多くの人が貯蓄している額」とは限りません。平均値は、単純に資産合計金額を人数で割った値。つまり、少数の高額資産保有者によって平均値が大きく引き上げられることがあることに注意が必要です。
実態を知るには中央値と分布を確認しましょう。中央値とは、数値の小さい人から大きな人まで並べた時、真ん中の人の値です。金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(単身世帯調査)2022年」 によれば、独身60代の金融資産の中央値は300万円です。分布はグラフの通りです。
金融資産非保有=貯蓄ゼロが28.5%、100万円未満が8%。3人に1人は、貯蓄0~100万円です。
老後になると、大きな収入アップは難しくなります。それまでの貯蓄や保険の備えが大切なことは言うまでもありません。ただ、年金や貯蓄が少なくても、働いて収入を得ることによりカバーできることがわかりました。
60代男性は、健康と仕事の両立がポイント
働くには、健康との両立がポイントになります。厚生労働省の患者調査(2020年)によれば、60代男性の入院は女性よりも多くなっています。
年齢、男女別の受療率(人口10万人対)
入院治療は治療費が高額になりがちです。しかも、最近の病院は入院日数が短く、退院はすっかり元気になってからとは限りません。自宅での療養が必要になれば、介護サービスの利用も検討しなくてはならないでしょう。
せっかくなら、お金も時間も楽しいことに使いたいもの。健康に気を付けて、充実したセカンドライフをおくっていただきたいと思います。