はじめに

江崎グリコの決算は?

次に、江崎グリコ(2206)を見てみましょう。

画像:江崎グリコ「2022年12月期期末決算説明資料」より引用

2022年12月期の本決算説明資料によると、営業利益は128億円、①前年同期比-33.5%と大幅減益、当初の計画よりも②14.4%の下振れて着地しています。こちらもやはり、原材料価格の高騰に苦しめられたようです。

画像:江崎グリコ「2022年12月期期末決算説明資料」より引用

2023年12月期の営業利益予想は160億円で、前期に比べて32億円増。ただし、国内での増額は1億円のみで、海外で32億円増益する見通しです。

画像:江崎グリコ「2022年12月期期末決算説明資料」より引用

2社の決算から見えてくる共通点

森永製菓の海外売上比率は10%程度に対し、江崎グリコは20%と多いため、為替の変動による影響をより受けやすいというのは留意しておいたほうがよさそうです。

江崎グリコは直近の2023年12月期の第1四半期決算で、①売上高71,075(百万円)、②前年同期比+8.6%、③営業利益3,900(百万円)、④前年同期比△4.3%と減益着地となっていますが、⑤経常利益は5,303(百万円)、④前年同期比10.6%と二桁増益となっており、こちらは為替差益がプラスに寄与しています。

画像:江崎グリコ「2023年12月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」より引用

森永製菓のように決算翌日に急騰するといった派手なパフォーマンスではないですが、じわりじわり株価を切り上げ、5月26日(金)には年初来高値を更新しました。この日は、8月1日(火)出荷分より一部商品の値上げを発表しており、今後の収益性の向上が期待されての買いも入っているようです。

2社の決算で見えてくる共通点は、複数回の値上げが消費者に受け入れられつつあるということです。利益率一桁台のそれほど高くない企業が、1%利益率を改善するだけでも、かなりのインパクトがあります。身近なお菓子メーカーの決算から、日本人のデフレマインドが解消されつつあることが見えてきますね。

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