はじめに

ライフプランを作れば選択肢が見つかる

今回、借り換えシミュレーションとともに、相談者のライフプランに合う、かつ効果的な繰り上げ返済を行った場合のシミュレーションも合わせて作成しました。繰り上げ返済による同様の返済額削減効果にメリットを感じられたようで、繰り上げ返済を目指すことに切り替えられました。そして繰り上げ返済に備えるために、現在の資産形成のペースを進めて行くことを選択されました。

前述した通り、住宅ローンの借り換えは借り換え先の選定、シミュレーション、審査の申し込みなど、かかる時間と労力の負担は小さくありません。労力をかけても審査に通らなかった、というケースも想定しておく必要があります。

一方、繰上げ返済を行う場合は、教育費や老後資金の準備など、他のライフイベントのタイミングを考慮する必要があります。相談者のケースでも、大学進学・車の買い替え・自宅の修繕などのライフイベントが集中するタイミングを考慮した繰り上げ返済のプランを作成しました。

また、現在は貯蓄額にゆとりがあり、教育費もかからないタイミングであることから、貯蓄も活用して資産形成のペースを高めておくことで、後のライフイベントが重なるタイミングへの備えができることをお伝えしました。このようなプランニングの元となるのがライフプランです。ご家族状況・収入・支出・住宅・保険・資産・年金・教育費・車両費などの項目をもとにシミュレーションを行います。


せっかくご家族で住む大事な家を購入し、自分たちの大事なお金を払っていく住宅ローンなのに、不安や納得のいかない気持ちのまま長い間付き合い続けていくのは気持ちがいいものではないですよね。

住宅ローンを賢く返していく方法として、住宅ローンの借り換えも選択肢にはなりますが、目に見える金利だけで判断せず、ご自身のケースではどんな選択肢があるのか、比較をした上でご判断されることをお勧めいたします。

【監修】伊達有希子/ファイナンシャルプランナー(CFP、1級FP技能士)

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