はじめに
思い切ってパッと使う
誰にも将来のことは分かりませんが、世界の経済は上がったり、下がったりを繰り返し成長し続けていく物ですから、恐らく元本以上の資産を手に入れている公算が大きいと考えます。年間22万円の投資を5年継続すれば、おそらく利回りを含めると120~130万円くらいにはなるでしょう。
5年という月日は投資においては短いのですが、一旦積み上げてきた資産を、思い切ってパッと使うというのをここで経験します。
仮に運用がとてもうまく行っていて、利益がたくさん出ていたら、どんな気持ちになるでしょうか? うれしいな、でももっと儲かるかも知れないから、いま売却するのはもったいないな……という気持ちになるかも知れません。
反対に運用がうまくいかず損をしていたら、「あー、こんなに減っちゃった。何が良くなかったのかな?」「これならあのときに売っていた方がよかったんだろうか、もう少し待った方がいいのだろうか?」という気持ちになるかも知れません。
恐らくどちらのケースになっても、さまざまな想いが浮かんでくるでしょう。そして、そのひとつひとつが学びです。実際に投資信託は購入する時より、売却する時の方が勇気がいるものです。そういう体験を積むのが非常に重要です。
いざ5年間の積立の成果を解約して使うとなったら、またここで色々考えるでしょう。投資がうまくいっても、それほどうまく行かなかったとしても100万円前後にはなっているでしょう。これだけの大金です、無駄遣いせずに、なにか有意義に使いたいと考えるでしょう。
何に使うか、どう使うか、誰のために使うかは、とても大きなテーマです。
100万円を全額1つのことに使ってもいいでし、30万円はAに、70万円はBにというように分けてもいいでしょう。自分のために使ってもいいし、家族のためや、友達との思い出のために使ってもよいでしょう。
結果、100万円以上の価値を生む使い方ができれば、それがまた投資となります。5年間、積立を継続するのは、そう簡単なことではありません。毎月1万円、ボーナスからも5万円を使わずに投資に回したのですから、いろいろ我慢もしてきたでしょう。それらの想いも含め、満足度の高い使い方をすることで、お金の意味を理解することができるようになります。
投資でお金を増やす目的は、より満足度の高いお金の使い方をするためです。お金はパワーですから、この5年間でぜひパワーを蓄える方法と、パワーを爆発させることを体感すると良いでしょう。
次のステップを自分で考える
20代はいろいろ経験値を積みたい時期です。決して楽ではない積立を継続する経験は、お金を貯めるには忍耐が必要である事を学べるでしょう。せっかく貯めたお金を解約し、より価値を産むものに転化させる経験は、自分にとってお金とはどういう意味を持つ物なのかを考えるきっかけになるでしょう。
では、いよいよ次のステージです。自分の目的のために自分をコントロールできるようにしましょう。
30代、40代、50代、60代、70代の自分を想像し、どうありたいか考えていきます。仕事は? 家族は? ライフスタイルは? そして、そこに経済的な観点を結びつけ、資産形成のプランニングをしていきます。いつからいつまで、月々いくらの積立を行うのか? それを遂行するためには、支出はどうあるべきか? 収入はどうあればよいか?
この5年間で、月々1万円を世界の経済に投資をする経験することで、経済は上がったり下がったりしながらも成長しているということを実感したはずです。今度の投資先は、かならずしも地球に丸ごと投資をするというスタイルだけではなく、これまでの道のりの中で気になったエリア、気になった産業などへのピンポイント投資も追加してもいいでしょう。
ぜひ20代でしか味わうことができない、資産形成の醍醐味を経験していただきたいと思います。