はじめに
医療費控除
医療費を年間10万円以上払っていると、10万円を超えた部分が控除として引いてもらえます。年間の医療費が11万円だった場合、1万円が控除される、ということです。ただ、せっかく控除を受けても、少ししか税金が安くならなかった、というお声をよくお聞きします。
そこで、医療費控除を受けるかもしれないという方は、次の点にも注意してください。
・家から病院の往復代 × 通院日数分の交通費を控除として足してもOK
・不妊治療や介護費用、薬局のレシートに書かれた「医薬品」分
これらも医療費控除の対象になりますので、せっかく控除を受けるからには足し忘れが無いように確認してくださいね。
iDeCo(個人型確定拠出年金)
年金のイメージは、と聞くと「本当にもらえるのか?」「十分な金額をもらえるのか不安」と答える方が多い今のご時世、「自分の年金は、自分で用意しておきましょう」という話もよく聞きます。そこで、ピッタリなのがiDeCoです。
iDeCoは毎月決まった掛け金を投資信託などで運用し、60歳以降で受け取ろうという、自分で自分の将来の年金を用意する制度です。このとき、自分の将来のために積み立てた金額がまるまる控除として引けます。
なお、掛け金の最低額は月5,000円から、上限は職場の企業型の年金制度によって変わりますので、会社でご確認ください。
ふるさと納税
言葉はよく知られているのに、まだまだ利用率が低いのがふるさと納税です。令和4年度実績では、所得割という収入に対する税額を納税している人口5,900万人に対して、ふるさと納税の控除を活用している人数は740万人。12.5%という利用率です。
ふるさと納税の仕組みは、まず自分が住んでいる自治体以外へ寄付をして、あとからその寄付額 ― 2,000円を自分が納めるはずだった自治体の住民税から引いてもらえる、という制度です。
この制度が得にお得な理由は、所得控除ではなく、税額が直接控除されるという点です。つまり税率をかける前の控除でなく、税額がダイレクトに減額されるので、節税効果が大きいのです。
寄付した金額と税金が安くなる金額の差額である2,000円が実質負担額になり、2,000円出しただけで色々な返礼品がもらえて「なんて……喜ばしい!」ということです。ただただ住民税を黙って払っているのなら、ふるさと納税を始めてみませんか?