はじめに

値上げはしないけど、残念なお知らせも

もともとサイゼリヤは、開発から物流、小売まで自社で管理しているため、安くても利益が稼げるビジネスモデルです。たとえばグラスワイン100円という驚異的な値段は、商社を通さずイタリアから直輸入してからこそ実現できる値段です。

また、看板メニューのミラノ風ドリアで使われるホワイトソースは、オーストラリアの現地工場でまとめて生産し、コストを抑えています。料理は工場で加工し、店舗での作業をミニマムに抑え、人員が少なくても運営できるよう、徹底的な効率化が測られています。

ただ、ここまで値上げせず踏ん張ってきたサイゼリヤですが、7月10日(月)に今まで無料提供していた粉チーズを有償化(税込100円)すると発表しました。残念ではありますが、インフレが進行している現状においては止むを得ない、との反応が大半です。むしろ、今まで無料だったほうがおかしいですよね。

個人的には、メニューの値上げをしても、客足が落ちることはないんじゃないかと思います。血の滲むような企業努力をした上での値上げについて、わたしたち消費者は一定の理解を持てるくらいのインフレマインドはついてきたのではないでしょうか?

意外な株価の反応

ここのところ小売の決算発表が続いていましたが、価格転嫁したことによる利益率の改善が評価され、株価が上昇するパターンが多く見られました。そのため、頑なに値上げをしないサイゼリヤはあまり評価されないのではないか、と予想していましたが、実際には真逆の反応でした。決算発表翌日は+14.9%と急騰し、その後も値を保っています。

画像:TradingViewより

日足チャートでみると、ほぼ1年にわたってきれいな上昇トレンドを形成しており、まったく危なげない様子で、今後も上昇しそうな雰囲気です。

ただし、第3四半期決算の営業利益の通期予想に対する進捗率は58.5%と、決してよいわけではありません。ラスト3ヵ月で利益を稼ぐ季節性があるわけではないので、予想値に届かない可能性も念頭に置いておくべきです。第2四半期決算のタイミングで下方修正をしていることも確認しておきましょう。

※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。
※編注:初出時に誤表記がありました。

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